@JapanProf いま丁度『教養の再生のために』(加藤周一、ノーマ・フィールド、徐京植 影書房)を読んでいるのですが、「9.11でアメリカがイラクの泥沼に突っ込んでいくのを止められなかったのは、アメリカにおける教養教育(リベラルアーツ)の失敗ではないか」という徐さんの言葉に、ノーマ・フィールドさんが答える姿勢が、どことなくJapanProfさんのお気持ちに重なって見えます。
「近代史は教えてくれます。国家は経済難を戦争で解消しようとする、と。そして戦時体制を準備するために欠かせないのが無批判な愛国心、ナショナリズムです。愛国心をあおり立てることによって階級間の矛盾や福祉の削減から市民の目をそらすのです。現在のアメリカはもちろん、日本でもその傾向が進行しています。国家が戦争を利用して押し付ける団結とは違う団結を市民の教養として想像することが切実な課題ではないでしょうか」(ノーマ・フィールド、p62)