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日記(映画『我が人生最悪の時』ネタバレ感想) 

同居人に誘われて、30周年記念4Kデジタルリマスターで上映されている『我が人生最悪の時』を観た。私立探偵濱マイク三部作の一作目。中学生の時ドラマをやっていて、エゴラッピンのOPに痺れて毎週よくわからないまま熱心に観ていた記憶はあるが映画は初見。同居人は仕事先に熱心なファンがいて興味を持ったらしい。ドラマ版の雰囲気とは違い、飄々としているけれど時折ギラついた野良犬顔になる濱マイクはかっこよく、台湾から来た青年との友情話から兄弟の抗争になだれ込んでいくストーリーも面白かった。あえて白黒で撮影された画面が美しくて、観ているとまるで彼らが元から白黒の世界の住人であるような気分になる。そんなことを考えているとクライマックスで青年の兄が「人の血は赤いが、俺たちの血は黒い」と言ったのでハッとした。その後、一歩遅れて到着した濱マイクの足元には大きな血溜まりが真っ黒に広がっている。セリフは貧しく生まれたやくざ者の自分たちを差して言ったものなんだけど、白黒映画がとっくに時代遅れになっていたであろう1993年に、銀幕の世界の住人から発せられた言葉だという気がした。そのシーンがもっとも印象深かった。

日記の続き 

で、二作目の予告篇が流れる段になってバーンとカラーになる。探偵事務所からファッション、車、アクション、ノリにノッている永瀬正敏までとにかくかっこいいもので画面を埋め尽くすぞという気迫に満ちていた。星野と一緒に事務所へ忍び込むシーンなど、ちょとギャグだろというくらいスパイ的な小道具も使ったワクワクするシーンだった。全部がかっこよさに奉仕しているために、たとえば男性キャラクターは多様さに富んでいて趣味がいいのに女性キャラクターは平板な感じがする(濱マイクの友人をのぞいて、妹と王白蘭はどちらも一途に男性を心配するだけで彼らの戦いに関わることはない。男性キャラクターが危険に身を投じる前、後ろ髪をひかれながらも最後は捨て置いていく”大切なもの”でしかない)など不満もあった。でも面白かったし、残りの二作も劇場で観たい。

日記(映画『我が人生最悪の時』ネタバレ感想) 

好きな映画です。濱マイク三部作を若い人が観てくれるのは嬉しい。

日記(映画『我が人生最悪の時』ネタバレ感想) 

自分でもなぜかわからないくらい惹きつけられたドラマ版の、源流に触れたようで嬉しかったです!

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