結局のところ、大手出版社はどこもなんらかの不正義(刊行する本の中身がクソとか、問屋や書店への対応が真摯ではないとか)を働いているわけで、それはようするに「大きくなった自身の体制を維持するためには、自身よりも小さな存在にその下支えとなるよう強いるほかない」ことの証明なのではないか、と。本来はそのジレンマは己で引き受けるべきもの=責任なのだけど、実際には「会社というのはそういうものだから」というような理由で許されてしまう。そして会社が大きくなればなるほど、その許されも大きくなる。「会社の中にいる個人個人はみな違う考え方なのだから、仕方ないよね」というように。そのありかたは間違いではないが、それが正しくないものとなる局面もあり、そこの判断が疎かになっている、というよりその判断すらなされないこともまた「会社だから仕方ないよね」で許されているような気もする。という、多くの責任を自身で負わねばならないうえに下支え要員にされてしまう個人事業主からの不満。
月に1万人の購入がある従業員100人の本屋と月に100人の購入があるひとり運営の本屋、どちらもギリギリで経営を成り立たせているとしても、10人の不買がもたらすダメージは後者のほうが大きいわけで......。とにかくより弱い存在に皺寄せがいくのは世の常なのだけど、当然納得はいかないししなくていい。