うつむいたきみのことばに雪が降る
ひたすら白いままのさよなら

雪の季節を
はじめる前に
すぐバレる嘘
ついてしまった
きみは黙って
きいていたけど
悟ったように
微笑んでたね
道はたちまち
昏くなるから
盗んだだけの
理屈ならべて
好きとか嫌い
論じてみても
こころの奥に
届きはしない
何を言っても
手遅れならば
ただ白い息
吐き続けよう
機械のように
樹海のように

あいまいなまま
季節は過ぎて
この体温が
誰のものかも
わからなくなる
静かな海に
愛想も尽きて
行くあてのない
嘘がはじまる
都合良いのは
お互いさまと
言ってはみても
自分ひとりが
秋の余白に
しがみついてる
だからといって
ひとりで踊る
わけにもいかず
読みかけの本
閉じてしまえば
そこにあるのは
にがい沈黙
受け入れるにも
排除するにも
逃げ道なんて
あるわけもなく
みぞれのままで
居られないなら
溶けない問いを
立てるしかない

静寂を破る(お風呂が沸きました)夢はだいたい泡になります

No Woman, No Cryとは言えなくてガラスの欠けた夜をみていた

街灯のひとつひとつが寂しげな詩を紡いでる星に住んでる

ひとひらの雪の行方を追うように忘れられない恋があります

行間を雪のあかりが照らすからぼくは金魚になれそうもない

夕方のペットショップでまっしろな仔犬が西の空を見ていた

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