不器用で燃えることなど出来なくて気づいて欲しいぼくの行間

この町に迷い込んだ月を連れて
夜を拒めない線路沿いを歩く

西の空が今日を畳んでしまえば
もう飾らなくていい金星の詩

何もかも埋もれてしまえ飾られた記憶の中で生きたくはない

自由が少し後ろめたくて
だれかの足跡をなぞる週末

オリオンが玄関前で待っていた素直になれと言わんばかりに

もう来ないひとを待ち続ける
いつか真っ白になる記憶

語るべきものがなくなった夜に
枯葉がぼくを追い越してゆく

ものがたりひとつ終わらせて
今夜星の種蒔くひとになる

試されるだけの朝しか来ないなら崩れてしまえイルミネーション

短歌 

プロペラが回る頃にはあの夜も固有名詞でなくなるだろう

短歌 

ぼくたちは冬の夢にはなれなくて舞い散る雪にすらなれなくて

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