音楽に興味が無いのにDTMを始めたのはニコニコメドレーが作りたかったからで、流れていた曲が気づいたら別の曲になっている、という体験を作りたいというモチベーションだけで打ち込みを始めた。
2012年からはインターネットからMIDIを探してコードをパクるという技を覚え、トラックの使い方もニコニコメドレー作者のMIDIを見て学んだ部分が大きい。(私が自分の曲のMIDIを公開してるのはこの原体験が大きい。深い感謝……)
https://nico.ms/sm21115775
曲がシームレスに変化することの手品っぽさにはずっと惹かれていて、その手品っぽさの実践は最近の出演と地続きになっている(私の出演はDJとかライブというより演劇に近いと思っていて、1本のMP4の中に自分が立って何かを操作していると思い込ませることで体験を作る仕事をしている感がある。その意味で今のほうが手品っぽい。mp4を流していることは公言している)。
https://www.youtube.com/watch?si=lUzD5ox2gcybzLHo&v=afNb1npqM3E&feature=youtu.be
私が打ち込み技術を身につけるうえで最も参考にした(というか、DTM初期に打ち込み能力が飛躍的に向上するきっかけになった)のが絢瀬みどりさんによるメドレー「ドキドキ☆すぷらっしゅR」のMIDIで、このMIDIは当時の私にとって衝撃だった。
それまでの私の打ち込みはメロディ(リード)+ベース(オクターブベース)+コード(ピアノとか)+ドラムというシンプルな世界観で出来上がっていたのに対して、このメドレーは装飾的なフレーズがオリジナルで入っていたり、オクターブ跳躍ではないメロディアスなベースを打ち込まれていたりととにかくバリエーションに富んだ手札が切られていて、この一本のメドレーのMIDIからあまりにもたくさんの要素を吸収した記憶がある(ストリングスはオクターブを散らして配置するみたいな編曲技術とかもここから学んだ)。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm16151917
最初期はTimidity++というMIDIを演奏するソフトウェアとDominoを連携して打ち込みをやっていて、MSGSよりマシなもののほぼPure MIDIと言える軽い音しか鳴らない状態で打ち込みをやっていた。(そういえばこのTimidityの音源はリバーブもディレイもEQも使えない中で唯一レゾナンスのかかったフィルターだけ使うことができて、この縛りも私の打ち込みのクセに影響を与えている用に思える。)
https://nico.ms/sm21192983
この時期までは「音を楽しむ」みたいな価値観は無くてせいぜい「欲しい音に最も近い音を128種類の中から選ぶ」という状態で、そこから2013年の夏にPorteus VXというフリー音源を導入したことで始めて「音色を楽しむ」みたいな価値観が自分の中に生まれた。音色数は1024種類でエフェクトも豊富で一気に打ち込みが楽しくなった記憶がある。こう見ると一年での変化の幅がすごい。
https://nico.ms/sm22731737
@frog96 俺もずっとReasonでやっていて、VSTはおろかオーディオファイルの読み込みという概念もなく、ほぼその感じで4~5年やっていたのであまりにわかりみが深い
@kikuo マジですか!?Reasonもそういう感じなんですね……今覚えば案外それくらいの縛りのほうがやることが明確でよかったなと振り返ると思えたりもします。(そういえば、音楽理論オタクは音がしょぼい人が多い、みたいなツイートを昔見たことがあるんですが今思えばサウンドを縛っているからこそコードとかが先鋭化していくという機序なのかもとも思ったり)
私がミックスとかサウンドに興味を持つのがめちゃくちゃ遅れた(現在進行系で遅れている)理由のひとつは間違いなくDominoとREAPERにあって、そもそもDominoで打ち込みをやっていた時代はVSTはおろかEQもコンプも当然なく(シーケンサーでしか無いので当たり前)、作曲の楽譜的な部分と限られた128の音色選びだけが音楽の全てだった。