フランス(仏)語からちょっとだけ浮気して、同じくロマンス語族に属するイタリア(伊)語、スペイン(西)語、ポルトガル(葡)語を少々勉強してみた結果わかったこと
・仏語は、発音と聞き取りの難易度が高い。母音が16種類もある上に、リエゾンやアンシュヌマンといった面倒なルールがある。
・伊語と西語は、母音がアイウエオの5種類しかないので日本人には発音と聞き取りが容易。
・小学館の伊和中辞典は、見出し語に発音を載せていない。注意点を覚えてしまえば、あとはローマ字読みで済むから。
・伊・西・葡語は、おおむねローマ字式に読めるが、仏語はだめ。
・西語の発音は、Madridの末尾のdを(ほとんど)発音しないとか、Cubaのbが破裂音[b]から摩擦音[β]に変化するので「クーワ」と聞こえることがあるといった癖がある。[v]がないのは日本人にとって楽だが、[θ]がある。
・伊・西・葡語の否定文は動詞の前に、それぞれnon、no、nãoを挿入するだけだが、仏語では動詞の前後をneとpasではさむ。
・伊・西・葡語では主語を省略できるが、仏語では原則として省略不可。
・西語は、アラビア語由来の語彙があるので、仏語から見ると伊語よりも遠く思える。アラビア語由来の単語は仏語から意味を推定できないので難しく感じる。
(続く)
<ロマンス語の続き>
・ポルトガルの葡語とブラジルの葡語は、発音が大きく異なる。文法も違うらしい。日本で「ポルトガル語」と言った場合、通常はブラジル語を指す。NHKのポルトガル語講座もブラジル語。母音は9種類? ちょっと微妙な発音の言葉(カナ表記しにくく、したがって日本人には発音が難しいもの)が多い印象。
・hは4言語いずれでも発音しない。
ロマンス語は語彙や文法が互いによく似ているので、習得の難易度には発音が大きく影響するはず。ロマンス語のうち、日本人にとっていちばん習得しやすいのは伊語、その次が西語だろう。仏語は他の3言語と比較して独自色が強く、習得の難易度も高めに感じる。
ただし、日本における教材や辞書の充実度を加味すると、仏語習得の難易度は若干低下し、他の3言語(特に葡語)の難易度は上昇するだろう。私の結論としては、日本人にとって習得しやすい順位は以下のとおり。
1. イタリア語
2. スペイン語
3. フランス語
4. ポルトガル語