学部生の頃から京都には10年ほど住んだ。あんまり雪が降らなくなってきていて、ただ単に寒いだけということが多かった。
家の作りが違うということで、北海道から来てる人が、京都の冬はつらいと言ってた。
それでもたまにドカンと積もって、一夜で真っ白な銀世界になることがあった。ただ単に冷えるだけよりは、雰囲気があってよかった。
10年間の後半の方は、昔からある比較的大きなお宅の離れ(2階の二部屋)をお借りして、本棚を沢山置いた生活だった。母屋には老夫婦だけがいて、おじいさんは寝たきりで、元気なおばあさんには庭の手入れをされているときなんかに時々お会いした。
おばあさんの話では、昔から学生の下宿をやっておられたようで、帝大の学生が下宿していたこともあったらしい。
家賃を月に1回母屋に払いに行くんだけど、あるとき、大雪のタイミングで払いに行ったことがあった。そのときの話が印象的で忘れられない。
「二二六事件の日もこんな大雪でしたなあ。うちには大臣のご子息の帝大生がおったから、雪のなか、安全のために急ぎ迎えが来はったんよ。あんさんはその頃どこで何してましたんや。」
まだ京都にはいませんとか適当に返事をして、私の母も生まれてませんとは言わなかったと思う。わりと最近のことのようにおっしゃる、時間の遠近の感覚が印象に残った。
@mikanshibano
松が酒好きというのは、何となく他でも聞いたことがあります。世話が焼ける子ほどかわいかったのかも知れません。
離れて暮らしている実の息子さんは一度だけお会いしたことがありますが、すごくきちんとされた立派な方でした。(^^)