愛すべき人間たち。笑ってしまったシーン抜粋。
"自分たちは負け犬だ、やることなすことうまくいかない。親どうしは大声でどなりあい、こんなひどいことになったのはどっちのせいかでノノシリあう。父親は壁にケリを入れて冷蔵庫の横に穴をあけ、全員昼食ヌキになる。みんなカリカリしすぎて、とてもいっしょに食事するどころじゃない。最悪だ。こんなことがあると人(つまり父親)は、家族なんてものは無意味なんじゃないかとカンぐりだす。父親(おれ)は思う、もういっそ人類は一人で生きてくほうが幸せなんじゃないか、森かなんかで一人ずつべつべつに暮らし、誰も愛さず、自分の蜜ロウのことだけ心配してりゃいいんじゃないか。
今日のおれたちが、まさにそんな感じだった。"
(「センプリカ・ガール日記」より)