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甲斐荘楠音が携わった数々の映画の衣装が展示されているのも見応えあります。旗本退屈男や丹下左膳など、意匠もディティールも美しくて。

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京都近代美術館の「甲斐庄楠音の全貌」展、切り口が興味深く堪能しました。小説の装画でよく知られる絵はもちろん、今回初めて目にした図録の表紙にもなっている「春」がすばらしくて、何度か見に戻ってしまった。

確定申告で消耗がひどく、がっつり食べようと、税務署から歩ける場所にある評判の店に行ってみたらけっこうな行列だった。赤いジャンパーに赤いマフラーにグレーの帽子をかぶったしゃれたお爺さんが、歩くのもやっとらしくスチロール箱の上に座っていて、順番のよくわからないままわたしたちはその斜めに並んだものの、いっこうに列が動かないので帰ろうかなと思ったところで、後ろに恰幅のいい爺さんが並び、「ええ赤でんな」と赤いお爺さんに話しかけ、赤いお爺さんは嬉しそうに何度か頷くもうまく喋れないらしく、恰幅のいいお爺さんの足元をしきりに指差す。見れば、鮮やかな赤い靴で、恰幅の爺さんもまんざらでなさそう。赤いお爺さんのつきそいの女性もなにか言いたげに自分の足元を見る――赤いスニーカーだった(『ジョーズ』で名誉の負傷自慢をするふたりに、自慢するものがない所長が盲腸の手術痕を眺める場面を思い出す)

『税金で買った本』6巻を買いました。ずっと悩まされ続けているわたくしの筆名問題を取り上げていただいていて……石平くんも、るん(笑)を探してくれた二人もありがとう。

うんこ文学は割と書いている方ですが、手前味噌ながら『宿借りの星』の手前糞は割と気に入っています。

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頭木弘樹編『うんこ文学』(ちくま文庫)がやってきた。

平凡社コロナ・ブックスの「江戸川乱歩」(1998年)と一緒に。

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別冊太陽『江戸川乱歩――日本探偵小説の父』戸川安宣監修(平凡社)に「パノラマ島奇譚」について寄稿しました。エッセイや評伝から土蔵に乱歩事件マップ貼雑年譜等々濃厚な一冊。

国書刊行会の創業50周年記念として新装復刊されたのが、『愛』『ロマン』『夜明け前のセレスティーノ』というすさまじい三冊で、ともかくめでたい。『ロマン』は、上下巻だったのが一冊となり、内容通りの凶器に。

連載42回の「幻視百景」は、でっかい神様を眠らせ続ける楽団の話です。

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『SFマガジン4月号』は津原泰水特集。津原泰水名義初の短編や、津原さんの手による未発表コミック、童話、など初めて読むものがほとんどです。親しかった方々の追悼エッセイも。いつかこんなふうに書けたらと羨望していた作家でした。

深堀骨さんの本が二十年ぶりに…! と驚いていたらドンブラコと『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』(左右社)が流れてきた。店に入ってみたらやばそうなので踵を返したところで笑気ガスが漂ってきて肩が震え続けて動けない…みたいになりながら読んでます。〝縷〜縷〜縷縷縷〜〟に不覚にも吹く。
脳内絵面は漫☆画太郎になってました。試し読みができます。
note.com/sayusha/n/n4e39afdd55

FOLK old book storeで、カシワイさんの『風街のふたり』展を見てきた。小さな展示スペースながら、原画と彩色後の原稿が並べられていたり、グッズが売られていたり、と楽しかったです。同じ店内にある谷口カレーで食べた麻辣豚バラキーマカレーが、花椒や大根や豆腐なども入っていてえらい美味しかった。

BT 『チェコSF短編小説集』のエヴァ・ハウゼロヴァー 「わがアゴニーにて」は忘れがたいですね。団地の相互監視的な連帯に雁字搦めにされつつも、それ意外の世界が考えられず外に踏み出せない心理。さらっと描かれる人体部位の相互補助がすごい。〝「うちに血漿があるのを見ました? バケツにたっぷり! どの廊下も組織や器官の容器で一杯なんですよ……うちはよいクランなんです。暮らしやすいんです。本当ですよ!〟

レアード・ハント 柴田元幸訳『インディアナ、インディアナ』が来月復刊されるそうで、めでたい。断片的な回想、送られてくる手紙、送る手紙、奇妙な話などがうとうとしながら目に浮かぶ情景のように染み入ってきて、しだいに背景が立ち上がってくるという、もう大好きな本なんですよ。十数年前に柴田元幸さんの朗読会でペーパーフラワーを水に浮かべるあたりの朗読を聞いて痺れ、即買ったのだった。

〝それからノアは、自分がまたいつの間にか居眠りしていたことに気づき、今回は人々が壁のなかに立っていて透明なのは壁でなく人々であることを悟る。彼らがゆらめき、やがてじわじわ消えて行くのをノアは見守り、ついには彼らは完璧に透明になる。〟

〝長い、長いおはなしを書いてそのあいだわたしたちは腰がだんだん太くなって頭ガイコツがどんどん細くなって、そのうちに誰かが誰かを送ってよこしてわたしたちの絵を土でかいて、それからみんな古くなった自分の顔をはずして、どこかにかくして、それから立ち上がってこがね色のひろいひろい野原をいつまでもかけていきました。〟

山尾悠子さんのエッセイ集成『迷宮遊覧飛行』(国書刊行会)を手にいれた。

『SFが読みたい!2023年版』にて『旅書簡集 ゆきあってしあさって』もランクインいただきました。ありがとうございます。「2023年のわたし」コーナーにも書いています。

ハン・ガン著 斎藤真理子訳『すべての、白いものたちの』が河出文庫になったんですよ。雪の結晶みたいな言葉で書かれた、様々な白さをめぐる連作散文詩として読み進むうちに、喪失と再生の物語が立ち現れてくる。単行本で読んだときは付箋だらけになりました。
平野啓一郎さんによる解説「恢復と自己貸与」、斎藤真理子さんによる「『すべての、白いものたちの』への補足」が新たに収録されています。

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