先日、堀田善衞『広場の孤独』のことを投稿しました。
そういえば、斎藤真理子さんも『広場の孤独』によく言及されてるなぁと思いだしました。
あらためて、斎藤さんの『韓国文学の中心にあるもの』をめくると、崔仁勲『広場』と対照させるかたちで紹介されていました。
斎藤さんのこの本、
『82年生まれ、キム・ジヨン』から始まり、セウォル号事件・ろうそくデモ、IMF、光州事件、とさかのぼって、朝鮮戦争、1945年まで文学作品とともに現代史をたどっていきます。
単なるブックガイドではなく、文学作品を通じて、その時代に朝鮮半島(そして日本)に生きた人々がどのような現実を生きていたのか、そしてそれは現在進行形の私たち自身の現実とどう繋がっているのかを知るための現代史のガイドブックだと感じます。
この本を開くたび、今自分が生きている現実の背後にある膨大な歴史の重なりを、私はなにもわかっていなかったのだ、と思い知るのです。