これは行かなあかんやつでは!?
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「可愛いお前さんの願いは叶えてやりたいんだが」
と則宗は申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「ここはどうしようもないんだ。顔かたちや身体つきならどうにかなるんだが、ここは僕の髪や目の色と同じで“こういうもの”と決まっている。番と契るときにだけ使う、大事なものでな」
「そっか……」
清光はちょっとがっかりすると同時に「どうにかなる」という顔や身体がどの程度変化するのかに興味がわいた。
「顔ってそんなに変わるもの? 別人みたいになれたりするの?」
「いやまあその、そこまで変わるわけじゃ」
「身体は? すごいマッチョになったりする?」
「山のような大男にはならんぞ」
「ふうん」
押し倒されたまま、清光はじっと則宗を見上げた。本当に美しい顔をしている。春という季節の一番やわらかで優しくて美しいところだけをかき集めたらきっとこういう形になるだろうと言うような。
「いいや」
「うん?」
「俺、その顔と身体が一番いい。……ねえ、あんたはキスって知ってる?」
「口吸いか? それならわかるぞ」
清光はにっこり笑った。
「じゃ、しよう」
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「んぁっ」
則宗が甘い声を上げて腰を引くと、合わせたようにそれがぷるんと揺れた。
清光はそれが、半陰茎、ヘミペニスと呼ばれるものだということを知らなかった。
「これでえっちすんの? できるの?」
こんな小さなものを入れたってちっとも気持ちよくなさそうだ。もちろん大きければいいというものでもないが、見た目も別にいやらしくないし小さいし、あまり盛り上がるようには思えない。
そんな清光の内心がわかったのか、則宗は少しうろたえたようだった。
「できるとも。ちゃんとこの姿でお前さんを愛でることができると請け合うよ」
「これの形は変わんないの?」
則宗はまたちょっと傷ついた顔をした。
「い、いやかい」
「いやじゃないけど……これを俺の尻に入れるのってどうなのかなって……」
ものすごく正直に言うと、いやだ。形を変えられるものならその顔や素晴らしい身体にふさわしい、人間の性器をつけてほしい。
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え、もしかして契るって交尾のこと? 出すってまさかちんこを?
おそるおそる相手の下半身を見る。肌のあちこちに残っている鱗のせいできらきらしていて、ちょうど人間ならば陰毛だの陰茎だのがあるあたりもソフトフォーカスがかかったように眩く輝いている。
——ちんこ、なくない?
清光は思った。なんだやっぱりちんことかそういうのを出すやつじゃないんだ。ちょっと残念だけどチューくらいはするかな、しないって言っても人間はするんだよとか言って唇奪っちゃうか。
と思っている清光の目の前で、則宗の下腹部がぱっくりと裂けた。
「ヒエッ」
喉の奥から細い悲鳴が出た。則宗が一瞬傷ついたような顔をしたが、そこは許してほしい。
「な、何すんの……?」
「言ったろう、契るんだ。お前さんたちの言い方を借りると……あれだ、まぐわうんだ」
「どうやって⁉︎」
「そりゃもちろん、こいつを使うのさ」
朗らかに笑った則宗はちょっと誇らしげに自分の下腹部を指さした。指の先にあったのは、
「……なにこれ。ナマコ?」
白いようなピンクのような、ちょっと半透明のぷよっとして小さな棘がたくさんついた謎の器官だった。二本あり、それぞれ清光の中指ほどの太さをしている。ぷるぷる揺れるそれに、清光はおそるおそる触れてみた。
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