オタクじゃない人は確かに使わないフレーズですね、「読みにくい」とか「意味がわかりにくい」って言わないと伝わらない…
ドラゴンカーセックスその後産卵話
則宗が元気な卵を産んだのは、それから七日後のことだった。
予兆らしい予兆はなかった。朝食の後かたづけをしていた清光は、縁側で寝転がって食休みをしていた則宗が突然弾かれたように起き上がるとどたばたと産屋に走って行く物音だけを聞いた。何か産屋に足りないものでも思い出したのかな、と思っているとせっぱつまった声が飛んできた。
「坊主! 今すぐきてくれ!」
ただならぬ様子にフライパンを洗う手を止める。
「うまれる!」
「今行く!」
清光は返事と同時にやかんを引っ掴み、例の井戸から水を引いている蛇口を思い切りひねった。鈍い金色のやかんに水が溜まるのを足踏みしながら待ち、コップか何かを持ってくればよかったと後悔しつつ廊下を駆けた。
襖を開け放つとそこには半分くらい龍に戻った則宗がいた。出会ったあの日に車に乗り込もうとしたときの、角も尾もあるあの姿だ。清光が今朝脱いだばかりのふわふわのジェラピケを握りしめている。
「坊主、手を握っていておくれ」
「わかった」
ジェラピケを握っていない方の手を取る。手のひらはじっとりと湿っていた。
「苦しい? 背中さすろうか」
「苦しいわけじゃないが頼む」
「違うのかよ」
思わずつっこむ。とは言え、則宗の様子がいつもとは違うことは明らかだ。
電話と応対は場数踏まないとどうにもならないですもんね
でも場数踏めばなんとかなるっていうのは、一度場数ふんで何とかなる経験をしないと実感できないから避けられがちなんだよな
仕事相手に取引をやめるよう圧をかけられ脅されても平気な顔だった則宗、相手が「あなたのパートナーさん…綺麗な方ですよねぇ?今は南仏の別荘にいらっしゃるんでしょ?」と露骨な脅迫に切り替えた途端顔色が変わる
「よせ」
と唸るように言う則宗に卑劣漢はニヤニヤ笑いながら携帯を取り出して見せ、今すぐ取引中止の指示を出さなければ電話をかけて別荘を襲撃させる、向かわせてるのは特殊部隊上がりの金のためなら何でもする連中だと得意げに語る
が、則宗は動かない
よーしわかった、こっちも本気だ!と現地の工作員に連絡を取った卑劣漢の携帯ごしに、「ギャアアアアアアアアア」というきったない悲鳴と銃声と何かがバキバキに壊れる音が響く
焦る卑劣漢を見ながら則宗はがっくり肩を落とす
「ああ…だからよせって言ったんだ…どうしてくれる、あの別荘は清光のお気に入りなのに、汚したり壊したりしたら僕が怒られるんだぞ」
そんなわけない、あいつらがやられるもんか!と怒鳴り返す卑劣漢の携帯からちょっとけだるげなハスキーな声が響く
「ちょっと則宗、どーしてくれんだよせっかくのバカンスなのに別荘ボロボロじゃん!」
「すまんなあ、礼儀知らずが押しかけちまって」
謝りながら則宗は部屋の隅に立っていた秘書に目配せして卑劣漢を退場させた
いやおかしいでしょそれ!?
人事にブッ込め案件ですよ
経営苦しいから全員今回は支給ないですとか言われたらチーンだけど
BL GL大好き。ReSoner。
現在作品はxfolioに再録作業中です。
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