文藝春号の批評特集、よいなぁ。
ここ最近、これまでの「テキストをただコードとして読み解いて提示する」というタイプの批評的な文を読むと、いや、それはわかるけど、わたしはもういいや…と謎にモヤモヤしていた。もっと書き手自身がどんな人で、いま何を考えている人で、その自分を隠さず提示しながら率直に思いを語るということがなされている文が読みたくて、だから、ここ一年ぐらいTwitterで「面白かった」と紹介したり感想を書いたものは、そういうものだった。
この特集に寄稿したり登場している人たちは、みんな「自分」の現在地を素直に見せつつ語って、見つけたことをシェアしてくれていて。マッチョじゃないというか。なんと言ったらいいのかな…。とにかくそういう姿勢の人間の心に触れることで、読んでいる自分は救われると思う。
意見が異なるとか、自分や自分のような存在が批判されるとかは構わなくて、そこに生身の人間がいて実存をかけていることに意味を強く感じる。
批評とは何か、わたしはわかっていないのだろうが、でも2023年の始まりにこういう感想を持ったことを残しておきたいように思ったのでこちらに書いた。
年末のイベント続きでメニエール病が悪化した。自分にとって耳の神経はカナリヤなので、真っ先に弱って知らせてくれることには深く感謝してる。頭がズタズタになるより前に強制的に音をシャットアウトする機能。
ライターです。あとなんかいろいろ。