五作目、女としては「片輪」だと罵られて、だけどそんなことは無いと最後にはまた話されるのだけど、任侠の世界に入ってしまったからにはそこから抜け出すことは出来ない、仮に抜け出せたとしても変わらないのだ、まで描いてた。シリーズ通して語られる内容と言われるとそうなのだけど。仁義の掟で斬り殺した子供の親代りをした三次が、「自分が親だと信じてもらうより子供を「親無し」にしてしまった男だとわかってもらったほうがいい」て気持ち、しっかりしているというか矜持みたいなのを感じて好きだった。熊虎親分の弟分のお竜さんためならの行動の早さに思わず笑った。小城さん(丹波氏)の白スーツがまたびっくりしたし、立ち位置の絶妙な所がまたそれらしいなと思った。お香代ちゃんを可愛がる場面普通ににこにこしてしまったこういう場面に弱くて…
緋牡丹博徒、復讐の物語としてしっかりした作りのお話でよかった。「義理と人情」がこの世界の掟と言いながら上辺だけ取り繕うも普通にある世界で生きていく人達だ。
「フュリオサ」観てきた
自分が覚えてた(記憶があやふやでもしかして想像だったのか…?)フュリオサの過去と今回の映画とで微妙に違うので混乱したのが本音かもしれない。「私を覚えてる?」の意味が自分の想像するものと違ってたことが言い方が悪いけど意味が薄まった気がして…。ジョーが母親を殺した敵であり片腕を切り取った奴だと思ってたら全然違う人だったのか。行きて帰りし道程で自身の復讐を遂げるMMFRの感じが好きだった。フュリオサの本編自体は復讐譚として成立してたのかなと思うけど、その「思ってたんと違う」を最後まで自分は払拭できなかった…。
ヴァルキリーが友達?幼馴染?だったのは嬉しかったな。再会の時の意味合いがこちらは深まったと感じる。マックス(だよね?!)のほんの少しのニアミスにあらーとなったりした。若干蛇足な気もしたけど…
彼女の最初の理解者がマックスと少し雰囲気が似てるのが、似てなくてもよかったのになーみたいな失礼なことを感じてた。協力者であろうと死んでしまう無常さはそうかー…となった。
ディメンタスへの復讐、最初は正直気持ち悪くて、そいつの養分の入ったものワイヴス達に食べされるのかと思ってたのだけど、死すら生温くて、資源が枯渇している世界で、そして何より自分を結局は物として扱う相手への返しとしては
『関心領域』の登場人物の
ヘートヴィヒのお母さん、近所だったかの知り合いが革命家だったか思想家だったかで(台詞も内容もあやふや)あぁ怖いみたいなこと話して、あの家のカーテン欲しかったけど他の人に取られてしまったと世間話で話す場面、もうそういう感覚でそういうものだと思ってるからなんだな。そんな彼女でさえも隣から響く銃声や悲鳴や夜も絶えない煙を見るのは耐えられなかったのが印象的だった。ヘートヴィヒはこんな世の中で「楽園」を築いたのだから手放したくない(それが収容所の隣からだとしても)て上手く言葉に出来ないけど割り切りがあったのかな。酷いことが行われていると分かりながら恩恵を受けることを受け入れている。あの銃声や悲鳴を環境音位まで割り切って聞いていたのかなそこは分からない。お手伝いさんへの最後ら辺の言葉もそういう価値観や常識が馴染んでしまったのかな。彼女が望む望まないに関わらず。あそこもしんどかった。
あと『関心領域』観てて(映画の作りの話)
冒頭タイトルの後に段々と真っ暗になって音楽だけ流れるのが予想より長くて「これはもしかして映像トラブル…?」とほんの少し心配でそわついてしまったの今思うと恥ずかしかった…。映画自体が見えている「外」の音について考えるものだったからそういうものだとすぐに察せられなかった
淡々とした映像で時々画面が真っ赤になったり「現在」が出てくるのとかすごいなあと思いつつそれ以上上手く考えがまとまらなかった。現在の遺品の数と写真は思ってた以上に気持ちが沈んだ
上手く文章に出来ない…。その時の「当たり前」や「常識」みたいなのが結構あっさりと(じわじわなのかもだけど)それが非人道的や倫理的に駄目なことであっても受け入れてしまうんだな。分かってはいたけどそこはやっぱりどうしても怖かった。自分もそこにいたらそうなってしまうんだろうなあ、と思えて落ち込んだ。自分の価値観に自信がないので周りの言う事そのまま信じてしまうから。
というのも監督がそのような意図で作ったみたいなことを事前に聞いてたからそう感じた、みたいなのもかなりあると思う。でも監督のそういうインタビューやアカデミーでの言葉で観ようと思ったのもあるからそこはもうほんとどうしようもない
『関心領域』観てきた。人は慣れる生き物で自分と異なる他人をそうしてもいいものだと周りが決めれば結構簡単にそういう振る舞いをしてしまうんだなというのを改めて感じた。
洋画や旧作邦画を観たりしてます/ツイッターからの避難先 /無言フォロー失礼します