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続いて阿部登龍さんの「狼を装う」読了
序盤や日常の鬱屈した描写と対照的な、疾走感のある流れが、郷土史や人間関係と上手く絡み合って心地いい作品
作者さんはかっこいい描写が抜群に上手いなと思ったし、主人公の選択は寂しさも少しだけ含んだ爽快感がある

稲田一声さんの創元SF短編賞受賞作「喪われた感情のしずく」を読了…
稲田さんは天才ではないかと思ってしまう作品
作られた感情と自然な感情を発端にして語られる「あなたは誰か」の物語であり、世界の静かな変革を促す個人のお話だった
感情を自在に作ることが可能になった世界なら、それを「身に纏う」ようにするのは化粧品メーカーの仕事だよね、とは思ったが、そこからああ来るとは思わなかった

「自分が機械か人間か、なんて、もはや明確な線引きもできないし、遠い昔から君たちは『自分は動物か人間か』なんて区別も付けられない命題をずっと考え続けているのに、更に『自分は機械か否か』なんて難題を重ねがけするつもりかい?贅沢なやつだな」と機械が呆れる未来

石油資源が枯渇するなら作ればいいのだ!ということで滅ぼした炭素系原生生命の亡骸を惑星ごと時間操作することで大量の石油資源を得ることを繰り返した人類は、近隣にある生命のいる惑星を消費し尽くし、仕方なく惑星ごと石油原料となる炭素生命を養殖することにしたのであった

ダーウィンの呪い
読了…

なんだろう、最終章後半の著者の切実で誠実な提言は、というか本書は、生物進化に関わる人は読んでみてもいいのかも

あのあとふと思いついたので、書いてみました
皆様ありがとうございます
note.com/tsmoon56/n/n2f274095a

あるいはもっと単純に「共進化によってなにかの種に依存していないといけないであろう種の、共生相手がまったく見つからない、しかし絶滅する気配もない」みたいなのでもいいのかも

例えば、(実際にある研究が参考だけれど)「とある生物相にて、エネルギーのやりとりを一元化し計算していったら、一部の種でどこかに消えている(個体数や生態のコストなどよりエネルギーの流入量が多い)部分がある」
「どこに消えたのか、と思い、普段あまり知見のなかったその生物を重点的に調べた研究者は、その種がK戦略ではなくr戦略を取っており、既知種にその種を食べる捕食者が見当たらないのに多産多死していることに疑問を抱く」
「様々な研究をしているうちに、研究者は『不可視の生態系』と、そこを支え、既知の種とあちこちで相互作用を起こしている『不可知の系統樹』の存在を知る
そしてそのエネルギー収支がヒトにも結びついていることを知ってしまった研究者は…」
みたいな

さっきの「魔法に絡んだもう一つの生態系」とか、後は諸星大二郎氏の妖怪ハンターのような「妖怪は闇の生態系」という話とか、藤崎慎吾先生の某作品とかがイメージされるけれど、この世に存在している、不可視の生態系なら、それでも既知の種との相互作用は避けられないわけで

魔法そのものが異世界に存在する何かを利用してエネルギーを変換する生命体だとして、その消費者に精霊とか妖精とかみたいなものがいてもいいし、それらによってもう一つの系統樹、もう一つの生態系が形作られているのは面白そう

獣人が人間の文明を引き継ぐ系の話、自分は「もういない人間に今更縛られる必要なんかあるものか、お前たち自身の歴史を生きろ」って言いたくなるけれど、それはそれで安易な人間=絶対悪みたいなのに陥りそうで怖い

北大水産+東京海洋大+水産大学校ぐらいの規模の「日本海洋大学」の実習船が航海中に時化に遭い、船員、調査のため乗船していたポスドクや院生数名、そして3回生1名を乗せたまま異世界に転移し、不漁に悩む現地の漁村の問題を解決したことを機にゴタゴタに巻き込まれる話
物語は単位不足を補うために、不人気だった(ありえないシチュだが)数週間の北極航海に参加する「羽目になった」(本人視点)3回生の視点で描かれたりみたいな

水産関係の大学の実習船が異世界に飛ばされてクラーケンとかリヴァイアサンをなんとかする話とか
(各分野の知識を活かしたいなら人数がそこそこ多めで年齢層も高くなりそう)

異世界、魔法がエネルギーだった場合は当然「魔法を主要なエネルギー源にする独立栄養生物」が生まれ得るし、魔法が生物で生産者だった場合は植物と熾烈な競合するし、魔法が消費者や分解者だったら魔法従属栄養植物とか出てくる

ファンタジー世界でよくある「魔法そのものが生物や霊的存在」というの
いっそ異世界における、現実世界の生物のニッチに丸ごと入ったグループみたいなのでもいいのかも

菌類とか

ちょっと草野原々先生の作品っぽいけれど
「なんらかのエラーで記憶が保持され、死ぬたびに様々な異世界に様々な生物に転生し続けた結果、その法則性がわかってきたので、大規模な環境変化が起こるたびに都合の良い生物に転生することで凌ごうとする」とか

ファンタジー世界で魔力のこもった石とかを魔力源にする場合は、やっぱり電池メーターみたいに「魔力残量がどれだけあるか見る装置や魔法」もあるのかも

あとは魔石が色で魔力残量表示できるようになってて、設置する装置には必ず残量確認用の窓が設置してあり、義務教育でどの色がどのくらいか教え込まれる(ただし種族コミュニティや国家ごとに仕様に差異があるので、多種族パーティーとかだと混乱が発生する)

Yoshitugu Tuduki さんがブースト

明日の大阪文フリ、バゴプラさんのブースで新しいZINE『牛がいた頃』を委託販売させてもらいます(Vegetable and Rice books)。売り子当番もします。
同音異義レーベル、暴力と破滅の運び手さん「ドンキー・アーカイヴ2」「マジック・ボール」(Violence and Ruin BOOKS)もあります。

バゴプラさんの新刊、
『トウキョウ下町SFアンソロジー』
『Kaguya Planet パレスチナ』
糸川乃衣『我らは群れ』(電子書籍)
『だれかといない場所』(日々詩編集室)

かつて京都にあった巨大な池、巨椋池が題材の小説「おしゃべりな池」は既刊『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』に収録です。

WEBカタログ↓
c.bunfree.net/c/osaka12/!/こ/45


9月8日(日)12時〜
Kaguya Books こ- 45•46
入場無料
OMMビル2F A・B・Cホール

Yoshitugu Tuduki さんがブースト

梨木香歩が『ここに物語が』で紹介しているアカショウビンの出てくる掌編を書いた加藤幸子という人、調べたら日本野鳥の会の理事をされてた人だった。農学部出て研究所勤めされてたガチの専門家だった。気になる。

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