この映画の予告やあらすじを見てた時、正直「パニック障害とPMS」って同列のように扱えるものなんだろうか…?っていう疑問があったのね。てか、思った人結構いたんじゃないかなあ。女のあたしでもそう思っちゃったくらいだし…PMSってでも、重い場合は婦人科に行ってピルを飲めば改善するものなのでは?と…
実際、映画の中で山添くん(松村北斗)も最初、「しんどさの程度とかが全然違うものじゃないですか?」的なことを言うし。
でも、「(体質のせいで)ピルを飲めない」ということがあるんだね。人によっては本当にどうしようもないくらい重い場合があることも。しかも他の精神疾患と比べるとそれらと同列には扱われてない現状があるから、なかなか理解されづらい。あたし全然わかってなかった。
『夜明けのすべて』
本当に良かった。上白石萌音さんはわたしが世界でいちばん応援している人のうちの一人で、松村北斗さんはわたしが世界でいちばん応援しているグループのメンバーの一人なので、ずっと心待ちにしていたんだけど、今日この映画に出会えて良かった。
作品との出会いは個人によって全く異なるものだから、普段あまり誰にでも強く何かをすすめるということはしないんだけど、この映画はなるべく多くの人に観てもらいたいと素直に心から思った。
なんて丁寧に作られた映画だろう。ひとりひとりの人の在り方、心、感情、振舞い、などを、なんて誠実に温かく優しく眼差しているんだろう。当たり前に誰もが弱さや困難を抱えていて、それは特殊でも異常でも悲劇でもなんでもなく、ただただ続いていく日常の中にある。
わたしが小説でやりたいこと、のコア、のような部分がこの中にあると感じた映画に近年で2本出会って、ひとつは『キリエのうた』、もうひとつが『夜明けのすべて』だったと思う。両方に松村北斗が居るなあ…
なんか、あたしは自分の人生の中であまり他者との恋愛、というものを重要視していない類の人間で、似た感覚の友人も何人かいるんだけど、それとは全く逆に「恋愛をすること」がとても大好きな友人がいて。
彼女は小さい頃からディズニープリンセスに憧れてたと言っていた。SPANK HAPPYの「普通の恋」という曲がとても好きだった。
彼女は割と最近に法律婚をしてパートナーとモノガミーとして暮らしているけど、彼女が全身全霊でそれこそ命を燃やすほどのたくさんの恋をしてきたことをあたしは知ってるし、それらを今も大事に抱えていることも、好きな人が傍に居ないことを寂しがってうずくまって泣いていたことも知ってる。あたしはそういう彼女の気持ちのすべてを「理解」は決してできなかったけど、そういう愚直でいじらしい彼女のことをとても愛おしく思っていた、し、今もそう思っている。幸せでいてほしいと。
そりゃあこの世の中は異性愛中心主義的で、ロマンティックラブイデオロギーは未だ蔓延り続けているし、あたしはそれに批判的な態度を取っているんだけど、同時に、あの頃あまりにも必死に「恋愛」を生きていた彼女のことも、忘れないでいたいと思うのね。
金曜日は映画の全国ロードショー開始日であることは周知の事実ですが、今日は観たいと思ってた映画が5本同時に上映開始されたので発狂するかと思いました。とりあえず明日の土曜に1本、日曜は別用があって無理で、振休の月曜に2本ハシゴの合計3本を確約しました。
このMV、あまりにも"女と女"だな…と思って見てたら、一時期話題になったり議論になったりしてた水星の魔女の主題歌なんですね。(あたしはガンダムに関しては全然わかってないんですけど…)
にしてもアイナ・ジ・エンドとアオイヤマダのコンビ、良すぎる
アイナ・ジ・エンド / Red:birthmark [Official Music Video](TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Se... https://www.youtube.com/watch?v=O774SDZJ2QQ&si=QfCcyvF0wu49lIa0
エッセイアンソロジーって面白いよね。あたしは以前『餃子』っていう、餃子についてのエッセイ集を持ってるんだけど、特に好きで印象に残ってるのは室井佑月の一篇で。
息子と「死ね!」「殺してやる!」レベルの殺伐とした喧嘩をするのに夕飯の時間になったらご飯を作って一緒に食べる、みたいな話なんだけど。
【以下引用】
喧嘩した後、あたしは息子に訊ねてみた。
「あんたさ、ご飯の中に毒とか入れられているとは思わない?」
すると、息子はしばらくあたしを呆然と見つめた。
「……あんた、そんなこと考えているのかよ。俺はそんなこと、いちども考えたこともなかった」
そうなんだ。腹の中で温め十カ月、一緒に暮らし十数年。いつの間にか、そこまで信頼されていたのかと驚いた。かつて、男からそこまで信用されたことがあったっけ?
(『アンソロジー 餃子』杉田淳子・武藤正人編、井上肇発行、株式会社パルコ、2016年、185頁)
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他のに比べると「餃子」感は薄いんだけど、これが一番ずっと頭に残ってる。
な、なんだこのぐちゃぐちゃ(褒め言葉?)の著者メンツは
https://twitter.com/kodansha_sale_5/status/1755087102629515477?s=20
Mugiko ANAN
Queer / ALLY 🏳️🌈🏳️⚧️
Stop Genocide Right Now🇸🇩🍉
文学と音楽と映画とアイドルとVtuberとシーシャが好き
Profile Illustration : ユラユラ人類学