権力は左脳の管轄で、道徳は右脳の管轄なのだけれど、現在の社会情勢では、左半球が右半球よりも優先され続けていて、悲惨な結果を招く可能性があると。現在のリーダーシップは右半球の共同福祉を犠牲にするか無視するかしていると。……ほんとにそうだと思うし、国会観てても、権力に対して道徳の話をしても通じないし、共同福祉や文化の話をしてもす通りされるだけっていうのがすごく納得いった。左脳の権力に対して右脳の情動の話をしても、そりゃ通じないわね。
さて私たちはどうしてゆけばよいのか。右脳ー右脳コミュニケーションによってしか解離された体験は統合されない。何を言うか、何をするか、ではなく、どのように共にいるか。これは、ゆっくりと時間をかけたプロセスなので、今の日本の貧困で忙しない日常においてはとても贅沢なことだし、結局左脳による支配のほうが手っ取り早いから、カルトが台頭するのでしょう。カルトは単純で簡単だからあっという間に広がる。それでも、右脳ー右脳コミュニケーション、共にいること。それらそのものを、立ち止まってじっくりと体験することの大切さを再考させてくれた良書でした。何度も読み返したい本です。