個人的には、他人を説得するなんて、おこがましいというか、本質的に不可能だと思っているので、せいぜい、自分がその考えに至るのに重要であった情報を伝えた上で、その情報の信頼性の評価や解釈は相手に任せるというスタンスです。
自分の解釈については、こんな考え方もあるよって参考として伝えているだけなので、共感してくれたって良いし、変だと思ったら、指摘してくれれば、それで良し。
一つの考えにまとまるのではなく、多様な考えのまま、互いの考えの違いの要因を探り、把握していくのが、議論や対話の真の目的だと思っています。
数学のような論理学に近い世界では、結果的に一つの考えに収斂するしかないですが、それは議論する内容の性質であって、一つになる必要は無いはずです。(蛇足ですが、そういう意味で、ゲームのようになってしまったディベートとかは好きでは無いですw)
当然、意見の違いを生む要因のどちらも受け入れられるという場合もありえます。論理学では論理の前提となる公理系が無矛盾性を持つ必要がありますが、我々の思考の世界はそこまで単純ではないでしょう。
当然、同じ人が、状況によって異なる結論に至ったり、同時に複数の結論に至って、判断できない場合もあります。
そういうこともあり、前と言ってることが違ってるというような指摘は、相手の思考を理解する上で更なる説明を求めるという意味で有用ではあっても、相手の能力の落ち度を示すものとは考えられないです。
まぁ、同時に複数の矛盾した結論を主張しつつ、その矛盾に至った経緯や複雑さを説明しないのであれば、稚拙な議論と批判されても仕方ないとは思いますが。