だが多くの理由から、学校介入プログラムは望ましい。ここで指摘したいのは、偏見を減らすことを目的とする教育プログラムである。これは、人種差別をしない学校プログラムとはまったく別の問題である。第一に、偏見は4歳から7歳の白人の子どもあいだ(原文ママ)に、(そして、おそらくマイノリティ集団の子どもたちの、他のマイノリティ集団の子どもに対する態度のなかにも)広まっているように思われる。第二に、7歳になると子どもたちは認知的に偏見を少なくすることができるようになりはじめるけれども、かれらは、偏見を持った親や友達の影響を受けることを選択するかもしれないし、また、新しく発達してきた彼らの認知能力を活用させる情報に触れる機会がないかもしれない。もし子どもが、エスニック集団についての適切な情報を用いて彼らの新しい認知能力を訓練するチャンスを与えられなければ、この貴重な機会を逃してしまうであろう。」フランシス・アブード著、栗原孝、杉田明宏、小峰直史訳『子どもと偏見』ハーベスト社、2005年、p185-186