2024年10月6日放送のNHKスペシャル
“正義”はどこに〜ガザ攻撃1年 尖鋭化するイスラエル〜 より
■カリム・カーン 国際刑事裁判所 主任検察官
カーン (逮捕状請求時のコメント)捜査の結果、ハマスの指導者3人が国際法上の犯罪を犯したと信じるに足る証拠がある。イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相も国際法上の犯罪の責任があると判断した。
Q この世界では人の命の価値が平等ではないと誰もが思い知らされました。
カーン 法の下の平等は世界のどこの裁判所においても不可欠であり、人々の命は等しく尊重されなければならない。そこに上下はない。あらゆる状況において同じ基準で法を適用しなければ法の支配が崩壊してしまう。
Q 厳しい状況とどう向き合うのですか?
カーン 私たちは西部開拓時代(Wild West)に生きているのか。銃を持っている人がやりたい放題できる。2丁銃を持っている人が1丁しか持たない人を打ち負かす。これが私たちの望む世界なのだろうか。
これは今後、数世代を決定づける重要な分岐点なのだ。平和を手に入れるのか、暴力に歯止めが効かない世界になるのか。世界の誰もが傍観者であってはならない。
感想:
カーン主任検察官は、国際法の言葉、人権の言葉を語っている。
(続く
国連文書「ウィーン宣言および行動計画」は、国際人権法のもと、世界のどこでも、誰でも、共通の基準が適用されなければならないと明記している。
そして「世界の誰もが傍観者であってはならない」という言葉は深い。
私たち全員に、全員の人権を守る義務がある。義務を果たさなくても罰則はないが、しかし各自が自分にできる範囲ですべての人の権利を守ろうとするべきなのである。
(これはカント倫理学に由来する考え方で、人権の基本でもある)