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2024年10月6日放送のNHKスペシャル
“正義”はどこに〜ガザ攻撃1年 尖鋭化するイスラエル〜
より

■ロバート・ウッド アメリカ国連次席大使

Q イスラエルは過剰に武力や自衛権を行使しているとは思わないのですか?

ウッド 我々はイスラエルに自衛の必要性を理解し支持すると伝えてきた。同時に民間人の犠牲を抑えて作戦を行うよう繰り返し働きかけている。イスラエルは存立のための戦争に巻き込まれており自衛の権利がある。

Q アメリアはウクライナに侵攻したロシアを非難する一方で、イスラエルの国際人道法違反を容認してきたことで、ダブルスタンダードだとの批判が強まっていますが?

ウッド まったくそう思わない。我々は常に国際的な正義の理念の提唱者であり続けている。国際的な正義や国際法を損なうとは考えていない。

Q ガザの犠牲者が増え続けても、アメリカはイスラエルを守り続けると?
ウッド 我々は特に自衛権の名においてイスラエルを擁護し続ける。

感想:
アメリカはいまやいまや言葉では正当性を示せず、空虚な建前を唱えるしかない。

ウッドの発言にはいくつかの嘘(故意の無知)がある。特にイスラエルが受けた被害とガザの犠牲が釣り合わないこと(比例原則を無視していること)は問題である。

2024年10月6日放送のNHKスペシャル
“正義”はどこに〜ガザ攻撃1年 尖鋭化するイスラエル〜 より

■カリム・カーン 国際刑事裁判所 主任検察官

カーン (逮捕状請求時のコメント)捜査の結果、ハマスの指導者3人が国際法上の犯罪を犯したと信じるに足る証拠がある。イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相も国際法上の犯罪の責任があると判断した。

Q この世界では人の命の価値が平等ではないと誰もが思い知らされました。

カーン 法の下の平等は世界のどこの裁判所においても不可欠であり、人々の命は等しく尊重されなければならない。そこに上下はない。あらゆる状況において同じ基準で法を適用しなければ法の支配が崩壊してしまう。

Q 厳しい状況とどう向き合うのですか?

カーン 私たちは西部開拓時代(Wild West)に生きているのか。銃を持っている人がやりたい放題できる。2丁銃を持っている人が1丁しか持たない人を打ち負かす。これが私たちの望む世界なのだろうか。

これは今後、数世代を決定づける重要な分岐点なのだ。平和を手に入れるのか、暴力に歯止めが効かない世界になるのか。世界の誰もが傍観者であってはならない。

感想:
カーン主任検察官は、国際法の言葉、人権の言葉を語っている。
(続く

国連文書「ウィーン宣言および行動計画」は、国際人権法のもと、世界のどこでも、誰でも、共通の基準が適用されなければならないと明記している。

そして「世界の誰もが傍観者であってはならない」という言葉は深い。

私たち全員に、全員の人権を守る義務がある。義務を果たさなくても罰則はないが、しかし各自が自分にできる範囲ですべての人の権利を守ろうとするべきなのである。

(これはカント倫理学に由来する考え方で、人権の基本でもある)

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