ヨナスの思想を解説する記事。
ちょうどヨナス『責任という原理』に(浅学ながら)とりかかっていたので、この記事は自分にとってタイムリー。インタビューイの戸谷洋志氏には著書『未来倫理』があり、そこに言及していないのは控えめだなと思ったりしました。
https://digital.asahi.com/articles/ASRBN3HG2RBCUCVL015.html?ptoken=01HDA3W42DJWNQTAAVD93Z273S
18世紀のカント倫理学は、現代の「平和と人権」の基礎になった。しかしながら20世紀以降の巨大な悲劇——戦争被害の飛躍的増加、ジェノサイド、核兵器、公害、原発事故、気候危機——をうまく考えられる哲学は、いまだに整備されていない。例えばハイデガーは「現代の事象をわれわれは思考できていない」という所までを指摘した。現代の悲劇、未来への責任に哲学者として取り組んだのがヨナス。
記事より。
"(ヨナスが考える)責任(レスポンシビリティー)とは、対象の呼びかけ(コール)があって、それに応答(レスポンス)する責務のことです。ヨナスは、まず善きものからの呼びかけがあり、「この呼びかけの声が万人を拘束するものとして研ぎすまされると、それが道徳法則となる」(主著「責任という原理」)と考えました。"
"放射性廃棄物の最終処分場の議論が注目されていますね。10万年後の未来まで視野にいれた想像力が要求されます。(続く
補足として
参考文献(続き
戸谷洋志、『原子力の哲学』、集英社e新書、2021年
戸谷洋志、『未来倫理』、集英社e新書、2023年