「フランス娘のように描いて」とジャックの前で裸婦となるローズ、未婚の女性で、令嬢で、あまつさえ婚約者の宝石を持ち出して身を飾らせているの、率直にMy body My choice My lifeを感じる ジャックと落ち合う前に目にした、母親に寛いだ姿勢を咎められて小さな手でシルクのスカーフを膝に置いてお行儀よく座る小さな少女に、令嬢として生きることを定められた自分を重ねていた─その人生からの(一時的にでも)脱却としてまず身体を自らのものとしているのがすごく印象的。直前にあの有名な船頭で羽ばたくシーンがあって、ジャックと熱いキスを交わして、一等客室の超豪華なリビングルームに二人で駆け込んで、までして安直にセックスにもつれこまないんだよな。まずローズは自分の体の主導権を母親から婚約者から奪い、取り戻して、後に「ローズ・ドーソン」を名乗って生きる選択を手にした。この流れがすごく面白く感じる。
『ターミネーター』と『タイタニック』が同じ監督っていまだにおおっそうか、となるんだけど、身体の描き方で見ると同じ視線を感じられるような気がする。キャラクターが自分の体を自分のものとして生きているように感じられる。