荒谷大輔『贈与経済2.0』(翔泳社、2024)、読了。
第一章から第三章までのジョン・ロック、アダム・スミス、ジャン=ジャック・ルソー、カール・マルクス、マルセル・モースについての読み解きは丁寧で勉強になった。
第四章からはブロックチェーンを使った「贈与経済2.0」について。ざっくり言えば、「贈与」と「感謝のトークン」を編集不可能なかたちで記録することで、「贈与」がまた生まれるという内容。しかし、このシステムを使いこなすには「健常性」あるいは認知的能力が必要であり、言語化能力が必要であると感じた。
「熟議民主主義の失敗」により、理性主義的前提を受け入れない人々の間で「分断」が起こっているのは、著者の分析通りだろう。
しかし、著者の主張する「対話」の形態、即ち「自分の価値観の前提を取り外した発言がより強い説得力をもつ」なるルールも、また能力による分断を生むだろうと思った。
これも「正しさ疲れ」からきているシステムの改変案なのだろう……。
#読書
共産主義
荒谷大輔『贈与経済2.0』(翔泳社、2024)、第一章から第三章までのジョン・ロック、アダム・スミス、ジャン=ジャック・ルソー、カール・マルクス、マルセル・モースについての読み解きはとても丁寧で、批判的にルソーやマルクスを読む視点を与えてくれる(後半はビジネス書的で、粗くなるが)
「一般意志の共有」は「全体主義」につながりやすく、大衆の恐れている「共産主義の脅威」はあながち外れていないと思った。
「共産党は共産主義ではない」なる意見を見かけたが、共産党が共産主義なのは日本共産党創立100年の志井委員長の談話でも「共産主義」を掲げている( https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-07-15/2022071501_01_0.html )また、公約に「自由時間」を掲げているあたりも、実にマルクス的。
資本主義を乗り越えるために、いま共産主義を読み直すのは非常に重要だと私は思っている。そして、左派なら限界も知っておくべきだと思う。ユートピア的な側面だけの理解では、同じ轍を踏む。
QT: https://fedibird.com/@2d3m13/113248813635834630 [参照]
共産主義
知りたい聞きたい/政権とっても派閥はできないか?
1999年1月21日付「しんぶん赤旗」
https://www.jcp.or.jp/faq_box/001/990121_faq.html
共産主義
「自由な議論ができない共産党から変わってほしい」 「分派活動」で除名された元党職員が提訴:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/313748