『関心領域』先行上映で見た。
第二次大戦中のとある家族の生活を描いた映画で、どのような家族なのかは徐々に分かるようになっているんだけど自分は見る前から知ってしまっていて、知る前に一度見たかったですね…。
聞こえてくる環境音だったり、立ち上る煙だったり、後景に置かれているものがものすごく意味を持っているので、中心に写されている家族の暮らしではなくその背景に意識を向け続けなければいけなくて、その体験は今までにないものだったのでそれはすごく良かった。
ただ、映像の処理の仕方や音楽の使い方で時折挟み込まれるジョナサン・グレイザーみが個人的にはちょっとノイズに感じて、もう少しシンプルな仕上がりで見たかった。
『ARGYLLE アーガイル』個人的にはマシュー・ヴォーンの映画もう見なくても良いかな…ってなるくらいおもしろくなかった。
バカバカしいスパイ小説よりもバカバカしい現実をやるぞというのはいいんだけど、そのバカバカしさの局地になる終盤の2つのアクションシーンの映像が全然良くなくて、というよりもVFXがひどすぎて全く乗れず。「最近のアクションシーンはダンスの振付みたいだ」という声を鼻で笑うかのように本当にダンスにしてしまうのであれば、もっとかっこよくしてほしかったし、あのシーンがもっとしっかりしてたら作品自体の評価も上がっていたんだろうなと思う。
そのアクションシーンだけじゃなくて、マシュー・ヴォーンの映画ってこんなに映像しょぼかったっけって思うくらい全体的に合成の出来が良くなくて、やりたいことに対して予算足りてなかったんですかねという感じ。
しかし、ブライス・ダラス・ハワードは定期的に夢女みたいな役柄をやっていてすごい。おばあちゃんになってもやっていてほしい。
“Sandler is a depressed cosmonaut in Johan Renck's glum sci-fi trip co-starring Paul Dano as the alien tarantula who offers him therapy in space.” こんなにそそられる映画の概要あるんだ
https://www.indiewire.com/criticism/movies/spaceman-review-adam-sandler-netflix-1234955918/
ドラマ版『Mr. & Mrs. スミス』
結婚してた2人が実はスパイでしたの映画版とは違い、スパイとして採用された男女が夫婦として暮らしながらミッションをこなすという設定。
ダウナーなセクシーさのある日常パートと、緊迫感のあるアクションシーンがシームレスに繋がっているのが楽しいし、ハネムーン→すれ違い→カップルセラピー→浮気→別居→復縁というよく見る結婚生活のあれこれを次々に遷移していくので結婚生活RTAぽいなと思いながら見ていた。
しかし、他のスミス達も恋愛関係になっているのを見るとそういう相性を考慮して組ませてそうなんだけど、その結果任務中にいちゃいちゃしたり小競り合いになったりでミッション失敗しそうになったり実際に失敗しているので、この会社大丈夫なのだろうかと思う(失敗したスミスを消す専用のスミスがいるというマッチポンプ感!)。
生活を人質にとっている仕組みの話だし、ぐだぐだ裏稼業感も『killer』とちょっと近いんだけど、あの殺し屋と違ってプロフェッショナルな振る舞いへのこだわりが少ないのは世代的な違いなのかな。
あと、クリフハンガーで終わるのは知ってたけど思ったよりしょうもない寄りのクリフハンガーだったのでエー…ってなってたらミッドクレジットでポール・ダノがすべてを持っていったのでよかった。