韓国のギャングものには、繰り返し出てきますね。朝鮮族は常に悪役です。
『哀しき獣』は犯罪者ではあるけど差別されて可哀想な役かな。
まぁ要は貧しくて、韓国には密入国してきて、悪いことをしなければ生きていけない人たちで、ギャングの中では蔑まれているという設定。多分、ほぼ必ずと言って良いほど。
ギャング世界の中での中国(人)蔑視が酷い。『新しき世界』では、主役のひとりのファン・ジョンミンが中国系で、そういうギャングの世界でも「あの中国人」みたいな言われ方を常にされている。
ソル・ギョングが出てたから観てみた『悪の偶像』という映画では、密入国してフーゾクで働いている若い女性が生きていくために凶暴にならざるを得なかった人として描かれていましたが、あるとき延辺出身であることを蔑まれて…みたいな件もありましたね。
あるでしょうね。
もっとマイクロ・アグレッションみたいなものだと、『完璧な他人』という現代の夫婦や友達関係の日常的を描いた映画ですが、中国製の(所謂made in Chinaの)贈り物を受け取った側が、それを見咎めて、裏でコソコソ贈り主を馬鹿にするシーンがありました(それぞれの登場人物のキャラや関係性を示すさりげないひとコマとして)。
それは多分、今の韓国で普通に行われているコミュニケーションなんだろうなと思うので、それを描かないというのもどうなのかとも思うし(差別が透明化されてしまいますよね)、かと言ってそういうシーンではいちいち差別を糾弾するようにしていたら、違う作品になってしまうし、悩ましい問題なんだろうなとは思います。
朝鮮族の描き方について言えば、確かにそのような(映画で描かれているような)歴史的な問題はあったのだろうけど、それをあまりにも強調してステレオタイプにしてしまうことで、今に普通に生きている人たちへの偏見の強化になってしまう側面があるという意味では、『アメリカン・フィクション』で描かれている、フィクションで描かれる黒人のステレオ・タイプの問題とも繋がるのかな。
@lematin
あと、これも前にも書いたけど、彼らの描くアメリカ人(もしくはアメリカ軍)も、日本人から見ると、結構なカルチャー・ショックというか、興味深いものがあります。当然、監督によっても違うとは思うけど、ベトナム戦争の描き方も、マッカーサーの描き方も、ビックリしたし、多くの場合、日本人の感覚と比べると、よほどアメリカ(軍、人)に対して、「対等なパートナー」と言った感じを強く持っているのだなぁという気がした。日本人のような卑屈さはあまりない。
ことの是非はともかく、そのようなことを知るのが面白いです。