あと、カウンセラーに対する不信感ってのは、当然生まれるものです。
私もいつも持たれているし、私自身、面接を受けていて、不信感というか、治療者の能力を見限って受けるのやめたこともあるし。
だって、その時に初めて会ったばかりの赤の他人ですよ、何処の馬の骨かもわからない。
まぁ本とか書いてたり、メディアとかに出てれば、馴染んでるような錯覚は持ってしまうかもしれないけど、それと実際に会うのは別。
初対面の赤の他人になかなか親しい人にも言えないような個人的な悩みを話すのって、そりゃあリスキーだし(守秘義務はあるけど、たとえ相手との間だけのことでも、傷ついたりしますしね)。
カウンセリングってそういうとても「危険な場所」なんですよ。なんかすごい良い人に出会えて、何でも分かってもらえて、どんどん楽になっていける場所って期待している人、多いと思うけど。
しかも精神分析的なセラピーなら、アドバイスはしないし、励まさないし、笑わない(笑顔を見せない)し、保証(「大丈夫ですよ」など)はしないし、共感も示しませんからね(「それは男の人が悪いですよ!」など)。
そんなの不信感を持つのが当然だとさえ、私でも思う。で、面接的には、それで良いのであって、それを何とかしようとは思わないのだけど。
もし、何かの講義とかで会ったことがあったとして、素敵な先生だな!って私が思ってたとしても、そのことと、もし私が患者として診察室か面接室を訪れて、直接話した時に、それでも素敵な先生!って思うか、スッゲー嫌なやつ!と思うかは、まったく別の問題だし、
もし実際に患者として会って、私が小此木啓吾さんのことを「スッゲー嫌なやつ」って思ったとしても、その友だちみたいにすぐやめちゃっていたかどうかも、当事者になってみないと、何とも言えない。
ただ、小此木啓吾さんはすごい有名人ではあるので、その話は私には面白かった…というだけの思い出です。彼女の言い方がとても愉快で面白かった。