例えばですが、
よくいる「俺は感情的ではない。いつだって論理的だ」みたいな人は、本人がそう言ってることからも分かるように、本人は自分の感情を全く理解してないわけです。
それとその言葉からもう一つわかることは、感情というのものがあたかも悪いものであるかのように思い込んでいる。そういう思い込みがあると、自分の中の感情はないことにされるので(あったらとってもみっともないと思ってるから)、まったく自分の感情と交流できなくなってしまう。
その結果、何が起きるか。
怒ってない筈なのに、他人を殴るとか、羨ましくない筈なのに自分よりできる人に意地悪するとか、好きなわけではないのに付きまとうとか、自分でも制御できない行動をとることになり、しかもそれを相手のせいにする。相手が悪いから、相手が誘惑したから、など。
百歩譲って相手が本当にそうだったとしても(可能性はある)、それで殴ったり付き纏ったりするには、自分の方の怒るとか、好きになってるとかの感情がある筈なんだけど、それはすっ飛ばして説明する。
ネガティヴであれポジティヴであれ、感情があること自体は何の問題もない。極端な話、誰かを殺したいほど憎んでも殺さなきゃ良いわけで。むしろその感情を自覚できない人の方が突発的にその感情が突出して行動に出てしまう訳です。
自分の感情を変えて貰うことを期待して、心理療法を受けにくる人は結構いますけど、「そんな初めて会った見も知らぬ人に、自分の感情を変えられたら怖いと思わないのかなぁ」と、私はいつも思います。
そんなの、嫌ですよねぇ。