9月に買った本。
積んでしまっていた『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』が素晴らしかったので、その勢いでいつか読まねばと思っていたセウォル号沈没に対する作家たちのエッセイ集『目の眩んだ者たちの国家』と、発売を楽しみにしていた斎藤真理子さんの『隣の国の人々と出会う』を読んだ。
この順番で読んで良かったです。

◆『誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える』田中みゆき
◆『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす 正義の反対は別の正義か』朱喜哲
◆『隣の国の人々と出会う ──韓国語と日本語のあいだ』斎藤真理子
◆『目の眩んだ者たちの国家』キム・エラン他/矢島暁子 訳
◆『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』ナージャ・トロコンニコワ/野中モモ 訳
◆『男はクズと言ったら性差別になるのか』アリアン・シャフヴィシ/井上廣美 訳
◆『死体と話す NY死体調査官が見た5000の死』バーバラ・ブッチャー/福井久美子 訳
◆『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭 訳
◆『穢れた聖地巡礼について』背筋

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アリアン・シャフヴィシ『男はクズと言ったら性差別になるのか』は、内容は良かったのですが、この邦題はあまり良くないのでは……と思った。

人種差別や性差別への指摘に「逆差別だ!」とまぜっ返すような反論をすることをはじめ、様々なシーンにおける、批判や指摘に対して別の方向へ捻じ曲げる言説について著者が哲学のレンズを使って詳らかにしてゆく本でした。

けれど専門家の解説も訳者あとがきも無いので、テーマに対して著者がどういう立場・態度で書いている本なのか判断するのが、店頭ではちょっと難しかった。
せめて信頼できる人による帯コメントがあったらなあと思うのですが、難しかったのかな。

邦訳が出るのを待ち望んでいた本が、原書とは違うキャッチーさ優先の日本語タイトルにされていてガッカリすることが時々あるのだが、あまりに煽動的なタイトルの場合は出版社の姿勢に疑問を抱くし、どんなに意義のある本でも買うのをやめることもある。

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