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 新自由主義的再編が世界的に開始されて、およそ50年である。

 50年というと、1945-1991年の冷戦期間より長い。

 この50年で世界の風景は劇的に変化した。米国では90年代にクリントン政権が新自由主義化・右傾化し、もはや中道右派と極右の2択となっている。

 そして、中東では78年にエジプトが米・イスラエルに屈服した後、もう50年もパレスティナ人は「テロリスト」として孤立した闘いを強いられている。現在の一方的な大虐殺は、ついにWWII以来の国際秩序の正当性を崩壊させるに至った。

 また新自由主義的再編に巻き込まれたラテン・アメリカ、アフリカなどの地域は、生態系的にも激変。政治的にもブラジルのブルゾナロのようにトランプの同盟者まで現れるに至った。

これらと比較すると、一見変化に乏しい日本だが、この50年で産業の空洞化、格差と貧困の拡大、レントへの依存によって、もはや社会は崩壊寸前である。

次期首相候補が「解雇自由化」を主張するようになっては、従来の「自民党型調整システム」もまた近々崩壊するだろう。

となると、代わりに「民主主義」の名に値する政治システムの構築がなされなければならない。

これに失敗すれば、操作された権威主義的ファシズムの危険性が増大する。これだけは避けなければならない。

  であるから、自民内部の「派閥」による疑似政権交代や、立憲と維新の野合などは問題外の「外」。

 メディアは頻りに「キャンペーン」を打ち、自民、立憲双方も一応女性候補を出して「多様性」を装っていみせるが、目下の物価高と生活水準の悪化に苦しむ一般庶民には全く響かないだろう。

 要するに、仮に突破口があるとしたら、「21世紀の社会主義」を長期目標とした、リベラル左派の結集、この道にしかない。

 それ以外の方向は、仮に世界の他の地域の文明が続くとしても、日本社会の崩壊にしか繋がらないだろう。

 緊喫の焦点は、漠然と渦巻いている「世直し願望」、これがどのように政治的回路に接続してくか、これである。

ここで言う、「21世紀の社会主義」とは20世紀の共産主義とは全く別物です。

 詳しくは、今年上梓された拙著『世界史の中の戦後思想』(地平社)、序章「自由主義・民主主義・社会主義」及び第一章「自由主義ー民主主義の体制の終焉?」をご参照下されば幸いです。

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