ところで、「半導体」とはそもそも量子論を応用したものに他ならない。現代デジタル社会は、その意味で量子論の応用によって成立しているとも言える。
このことは相対性理論とGPSの関係についても言えること。
しかし、ボーアやハイゼンベルク、シュレデンィンガー、アインシュタイン、ディラック達が理論的に地平を開いた時には、当然「半導体技術」への応用を予め考えていた訳ではない。
この過程には、基礎研究、応用、商品化が、決して予め直線的に繋がれるわけではないことが明確に表れている。
であるから、今の日本のように、大学の基礎研究への投資をないがしろにして、「すぐ金になる」スタートアップ企業やユニコーン企業などをコンサルと広告代理店がぶち上げながら、突き進む現在の政策では、「ナイアガラの滝」へと日本列島在住の1億2千万人が押し流されていくこと、これはまず間違いない。
ところで、この島田という東芝社長、量子コンピューターなど定義が曖昧なものを語る前に、「半導体」が量子論の応用、ということを社内の誰かに教えてもらう必要があるのではないか?