J.ホイジンガについて
J.ホイジンガは『ホモ・ルーデンス』などでも知られる20世紀を代表する文化史家の一人。
オランダ人であり、日本とも関りが深いライデン大学学長となった。WWII中にはオランダを占領したナチスによって強制収容所に監禁。1945年オランダ解放直前に死去。
私は大学生の時、幸運にもライデン大学学生との3週間程の交流プログラムに参加する機会があり、オランダに滞在した。その際は、あちこち案内してもらい、私個人にとっては「よい想い出」しかない。
ただオランダはWWII中の日本の「性奴隷制」を含む戦争犯罪にはきわめて厳しい態度で臨む国でもある(インドネシア解放の名の下で「慰安婦」にされたオランダ人女性もかなりいる)。
昭和天皇は1971年にオランダ訪問した際、搭乗する車に魔法瓶をぶつけられ、窓ガラスにヒビが入った、という事件もある。
ホイジンガに戻ると、オランダ人でありながら、ブルゴーニュ公国の文化史を俯瞰的に描くことで、「国民文化」の枠を超えた「欧州文化」への視点を提出しようとしたと言える。
これはナチスの逆鱗に触れるのは当然である。
しかし、ホイジンガの視点、どうも日本の西洋史には引き継がれていない。