あえていだかせる演出なのかと思っていました。で、最後の最後にちらっとガザに留学したリッカルドが炸裂弾についての論文を書いた、という字幕が流れるんです。なるほど「なぜ弾丸がバラバラになるのか」の答えをさりげなく提示する、すごく考えさせる作り方だな、と思っていたので、あれですね、
本当はわかりやすかったんじゃん、と思いました。まあでも、わかりにくくなっていたおかげで、ガザは新兵器の実験場なんだ、という話をきちんと理解できたんてすが。「帰還の行進」参加者が炸裂弾で撃たれたんですが、「帰還の行進」ってデモなわけで、それをライフルで撃つだけでも非人道的なのに、さらにその弾丸が普通は使われないような爆発する弾丸だというこは、あまりにも非道すぎる。本当にパレスチナの人々を人間ではなくモルモットとして扱っているのがよくわかる。炸裂弾だと手足を切断するしかないんですよ。殺害したら国際的に非難されるから、手足を狙う、しかも最大限にダメージを与える方法を選ぶ、というのがイスラエルのやり方であり、それは同時に、世界の兵器開発が求めるデータでもあるわけで。
リッカルドが外国人は退去を勧められ、一旦は外に出るんですが、再びガザに戻ります。そのときの彼の言葉が印象的です。
「自分について深く知る機会は、人生において、そう何度もあるものではない」
ガザに戻るか戻らないかの葛藤の末に、リッカルドは自分自身について深く知ることになった、というのは、ものすごく示唆に富む言葉だなと思います。
人が自らの経験から発する、真実の言葉だなと思います。そういう声は、なかなか聞けるもんじゃない。とても貴重な、大切な声だと思いますね。