で、この感じはポジティブにもネガティブにも働いていたわけですが、一方でだからこその良さとして冷える夜に小さな初老の女性が歩いているその姿に哀れさも何もない感じになってるのはよかった。ああいいわね、ああ困ったわね、ちょっといい感じだわね、くたびれてきたわね、だけで綴っていく。バラバラの人たちがバラバラに居て、すれ違う。バニラ?のとこよかったな。加熱式たばこがこういうロマンティックな使い方されてるのははじめてみた気がする。
なんとなく乗り切れない部分としては私は冒頭のナレーションと呼応するラストで十分では?と思ったので「トロピック」がよくわからなかった。順番としてあれが手前に入っていたら意図はわかった気がするのだが…なんか急にチャチになっちゃってない?そういう理でみる話でもなさそうなんだが。
しかし断然素晴らしいのはエンドクレジットで、あんな素晴らしいクレジット形式を見られただけで見た甲斐がありました。すべての映画があれでいいんじゃないかってくらいの「みんなでつくりました」宣言だ。