実は見てなかった有名な映画を見る部、今日は「姫とホモソーシャル」を読んでとても興味を惹かれたので『隠し砦の三悪人』。ストーリーは最初から最後まで説明されていてシーンの克明な描写についても読んでたので確認作業になっちゃわないかなー?と思ってたけど、全然そんなことなくて、とてもおもしろかった。こんな和洋折衷ができるのかー。

黒澤明の映画って台詞が聞き取りにくい印象で、特にこれは「今なんて?」モーメント多かったんだけど、にもかかわらず全部が全部「見ればわかる」ことに終始興奮していた。それでいて「仲良くしようなあ」みたいな平易な言葉はちゃんと聞き取れてグッとくるのである。「えへへ」「えへへ」のデレデレラストもかわいすぎるだろ。あと仁王立ちと太ももへの偏愛を感じた。

そして確かに当時「女性を描けない」と言われたような部分が逆に今となっては「女子を女子として強調しない、同時に女性がゆえの苦難もあることはフラットに描いている」表現に見えるのね。ロマンスに回収されない限りなく男女やおい的な関係性を捉えられることにも女が女を救い女が女を守る表現もむしろ今のほうが評価されるのではと。いやじゃ!姫の心まで唖にする気か!

火まつりのシーンが最高すぎてびっくりした。何だあれ超かっこいい。フェスだ。

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オールドタイプなので映画とドラマを隔てるもののひとつに「台詞が聞き取れなくても見てしまうかどうか」はやっぱりある気がするんだよな。セコくてチョロいクソムシおっさんコンビのなかよくけんかしな!のイチャイチャというラブリーは六郎太かっこいー!パートに尺が割かれる後半ではやや弱まるも、むしろおっさんたちが武家的価値観のしょうもなさと全然相容れない方向にしょうもないことを強調しているので、これはこれでよかったな。武士的な根性やいわゆる「男気」をみせたシーンが1つでもあったらこのヌケの良さは出てないと思うの。

あとやっぱり画面設計的には上下を活かした運動の気持ちよさって大きいですね。あーでも乗馬シーンとか横移動の気持ちよさもあるか。でもやっぱ高い位置の使い方が特に好きだった。フレームのどこから姿を表すかだけでおもしろさ得点は全然変わるのね。

槍試合のとこの幕を使ったフレーム内フレーム変更も「うおー!」となった。

よくできた韓国映画における「元気ー!」って感じのアクションが志向しているものも、多分これなんじゃないかなーって気がする。おっさんの顔にはアクションがある。

スワッシュバックラーの独自発展みたいな観点で見ても面白いし、ただ見てるだけでも面白いんだよなー。てかこの講義受けてみたいんですけど!大人になってわかる、大学には色んな面白い講義があるんだってこと…admission.seijo.ac.jp/feature/

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