『共犯者たち』〜政治権力と闘った韓国放送人たちの熱き記録 ／永田浩三
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/1086

”映画の後半にこんなシーンがある。韓国の公営放送MBCの社屋で、昼休みに大きな声を上げている職員がいた。「金・張・謙キム･ジャン･ギョム」（MBC社長）はここから出ていけ！」朗々と叫ぶ自身の姿をスマホで生中継していたのは、MBCのドラマプロデューサーの金敏植キムミンシク氏だった。

　金氏は、大胆な行動に出たいきさつを語りながらも、本当は消されてしまうのではないかという恐怖があったと語り涙ぐむ。しかし心配は無用だった。たったひとりで始めた叫びは、玄関ホールで何十人もの社員たちが一斉に自撮りのライブを行うまで広がった。お祭りのような「金・張・謙は出ていけ！」の大合唱が延々と続く”

この動画のコメント欄、応援の声や「我々市民がニュース打破のように犠牲を強いられようと黙らないジャーナリスト達を支援しなければならない」的なコメントで溢れているのが印象的だなと。

ちなみにたぶん”犠牲”というのは、このドキュメンタリーの最後にあるように、2008年から続いたイミョンバク、パククネ保守政権の意向に従わず意志を貫いたジャーナリスト達は失職させられたり閑職に追われたりという憂き目に会うわけですが、その数は300人以上にのぼったとのこと。

ちなみにこのドキュメンタリーのプロタゴニストでありニュース打破代表のジャーナリスト、チェスンホ氏はその後MBCに復職を果たし、代表取締役的な役職にも就いたはず。

チェ・スンホＰＤ、解職から１９９７日ぶりに“ＭＢＣ社長”として復職
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/29180.html

2017年12月の記事。