きみの色みた。バンドメンバー間に摩擦なさすぎるので、このゆるゆるさを心地よいとするか、反転して臭みになってるとみなすかで評価が大別されそう。
予告編見た時はトツ子×きみの間ですれ違いが絶対あると思ってたので、ええー?ないの、になった。

黒沢清の男性キャラが「すかすかで適度にイマジナリー」なわけだが、これの女性版でもあるなと示唆された。聖性の付与がフレーバーすぎるのも似ている。黒沢清の廃墟と山田尚子のミッション系高校という対。
山田尚子の少女趣味はミンヒジンと似ているんだろうが、私は黒沢清との対称性もありかなと。

おそらく摩擦がないことで生まれる平穏とその情景への愛着が山田に強すぎるんだと思う。これは加害性が無いからすごいと称賛されているのが現状だが、実際には同時にある種のフェチであり、ホラーやアクションが変容、出来事、行為による秩序変化を重視するクライテリアを伴いつつ、変容や豹変をめぐる場面のフェチになりやすいのと単なる逆のフェチが駆動されている。

その結果、コンセプトやモチーフが「出てきたら即座に収束点が予想され、展開が乏しい」という弱点を抱える。属性が本質のように措定されて大して動かない、変化しないのが美徳にされているような面がある。ストレスを回避した結果、自己解放のエナジーもマイルドに抑えられてしまう。

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ちなみに黒沢清は変容、豹変の手癖化、フェチ化に近い。それはそれでどうなのとなる。

変化が乏しいことと、物語志向が薄いので情景とエモーション中心になる(その結果、70年代オールド少女漫画を現代の絵柄でやっているような回帰を感じさせる)のは、結果的にテクノミニマリズムに似た印象も与えるため、キャラのドラマをいっそ仕込まないぐらいでいいのではないか?と思わせられる。ミニマリズムのようにループさせたいんじゃないかと思える。

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