業界縄張り争いを批判しているようでいて、実際には業界生態と現存業界における識別コードに依拠しまくる人が多い。自他のポジショナリティを確定しやすいからそうなる。
「~研究」を履修すれば、そういう現存秩序を一旦更地にして、既存の言説の生成過程を把握するモメントがあるから、現在の識別の恣意性やその識別も10年程度で姿を消すこと、そんなものを根拠に思考することの脆弱さの方に直面する。
そうなると、現存秩序における言説や発話も「そういう動的ルールのもとで起きている挙動」という位置づけになるし、捉え直しの局面が生まれるかどうかを早期に想定することにもなる。
大抵の場合の「批評とは~である/ーではない」といった措定は、思想史を学べば例外が溢れるようにあるので、特徴を一般化すること自体コンスタティブには正確なものになりえず、「そういうルールとしてここではコミュニケーションをとる」の宣言や提案ぐらいの意味しか持たない。実際には無知と狭い見識から、特定の慣習に準拠してそうなっているのが大半。
そうなると、その種の「~が批評だ」といった言明はその措定から何ができるのかがおのずと問われるので、単に自他のポジショナリティの確定や弁別、現存秩序の規範意識の話に展開していくと、単に「習俗の発露」ぐらいのものになる。