浪曲 安久鯉・奈々福「阿漕ヶ浦」
こちらはまったく想像がつかなかった阿久鯉さんの浪曲。もとは安久鯉さんが「ちょうど時間となりました~♪」というのをやってみたいということで発案したのだそう。こちらも玉川の入門者が初めて習う演目とのこと。普段は歌がお上手な方であることはわかったが、やはり声量がぜんぜん違うし(これも当たり前)、語りの部分が講談風で楽しかった。
トークで語られたそれぞれの芸の魅力と難しさ。興味が尽きない噺だった。印象に残ったのは、ピアノの伴奏で歌うのと違って、三味線に声を乗せるのはとてつもなく難しくて、最初はみんなできない。でも阿久鯉さんは一発で声が乗った、と言っていた。どっちもすごいよ。
浪曲 奈々福・まみ「小田原の猫餅」
奈々福さん、冒頭の一節を唸ってから、「あーーー、やっぱりこれだよ、これーーー!」と大喜び(^^)。噺は、落語の「ねずみ」に少し似た甚五郎モノだけど、猫がひどい目に遭うので途中は耳をふさいだ。
講談 安久鯉「長門守木村重成の最期」
こちらも開口一番、「やっぱり座布団、落ち着くわーーー!」(場内爆笑)。この一席は圧巻だった。豊臣方の武将とその妻の滅びの美学。圧倒されて、胸がいっぱいで、帰りの電車でもずっとじーんと余韻を噛みしめた。安久鯉さん、もっともっと聴きたいな。
この2人の組み合わせ、とてもいいな。ずっと続いてほしい、この二人会。