相澤、英語喋れるってよ。
高校時代あんまり英語喋れなかった相澤。
山田の中ではそのイメージで固定されてんの。
2人で街ブラしてた時外国人観光客から声かけられる。
山田が返事をするより先に相澤が英語で道案内しちゃうの。
つたない英語だけど普通に会話してる。
「え!?ペラペラじゃん!?英語苦手だったヨナ…!?」
「彼氏が教えてくれた。」
ちょっぴり恥ずかしそうにノロけてきて、彼氏をいる事実を知った山田。
なんだよ!今日は俺とデートじゃないの!?と泣きそうなハートになるも、表面的にはニコニコにっこしで
「へぇ〜!恋人いたのかよ!挨拶したいし今から呼んでよ!」
と無茶振り。
相澤ちょっと困った顔するもスマホ取り出して呼び出してくれる。いい奴。
「1時間後なら来れるって。」
「へぇ〜!!」
呼び出せっていった癖に、来んなよ!と思う山田。小さい。
数ヶ月後。
久しぶりに相澤を飲みに誘う山田。
ふたつ返事でOK貰えて「あー、まあ彼氏呼びたかったら来てもいいし。」と謎に気を使う。
「いや、別れたからいいよ。2人でいこう。」
「へ!?あんなにラブラブだったのに!?」
外じゃラブラブだが家じゃ暴君だったのか!?と山田が冷や汗たらりするも相澤はなんてことなさそうな顔。
「仕事で日本に来てただけだからな。また仕事の関係で母国に帰ったよ。」
「えぇ〜そんなあっさり……」
「付いてきてくれとは言われたが、俺にも生活あるしな。そこばっかりはしょうがない。」
「遠距離でもねぇの?」
「現実的じゃないな。」
「ふぅん。」
山田は数ヶ月前に会った彼氏を思い出す。
金髪翠眼高身長細マッチョ
「んじゃ、俺が相澤にアタックしてもいい?」
「は?」
「見た目はド被りだろ?俺ずっとお前のこと好きなんだよね。」
「……」
ポカン顔の相澤ボボボっと顔を赤くする。
子犬系彼氏にいくらじゃれつかれてもこんな赤くならなかったのに。
「え、え。なにその反応。」
「べつに」
「え。めっちゃ赤いじゃん。」
「アタックしたいならすりゃいいだろ。」
「え?いいの?俺だってチューとかしちゃうよ?子犬系彼氏に負けねえくらい甘やかしちゃうよ?」
「……したいようにしろよ。」
こうして茶番が始まるのであった。