「フランドル、ネーデルランド、オランダそしてスピノザ」ーヨーロッパ人文学の進化

WWII以後、日本のヨーロッパ人文学は全体としては劇的に進化した、といってよいでしょう。

ただし、ある時期から細分化して行き、全体像を見えにくくなったことは確かです。

例えばルネサンス美術研究。
元来哲学・美学専攻の林達夫(三木清と同期)が戦後ルネサンス研究チームを立ち上げ、高階秀爾さん、マニエリスム芸術、フェミニズムを美術史に導入した若桑みどりさん、バロック芸術、次の世代ではカラヴァッジォの岡田温司さん、と続きルネサンス画家以外でもレンブラント、フェルメール、ルーベンス、ベラスケスなど近世の巨匠が日本でも人口に膾炙するようになります。

しかし、他方北方ルネサンスの中心となった「フランドル」とネーデルランド、そしてレンブラントとフェルメールを生んだ17世紀オランダの関係は断片的にしか知られていないように思われます。

17世紀オランダと言えば、B.スピノザ(ポルトガル系セファラード)名が思想に関心の或る方には頭に浮かぶと思います。

しかし、スピノザとアムステルダムのマラーノ共同体の軋轢と破門、そしてネーデルランド共和派のデ・ウィット兄弟との関係などはあまり知られていないのではないでしょうか?

@yoshiomiyake スピノザといえども「黄金期」オランダのマジョリティからみると本当に「どマイナー」なので、オランダ国民史のメインストリームにおいてふれられることが実に稀少ですよね。当然日蘭関係史研究にも登場することはありません。三宅さんにとって取り上げるに足る、みるべき近世オランダ史研究とはどんなものでしょうか?

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@yoshiomiyake はい返信ありがとうございます。「両インド」ふくめ貿易史をカバーした業績となると、世界システム論でも全然なんじゃないのか、と疑っています。グロティウスとかの議論もそれなりにありますが、いかにも政治学一般という感じで大して興味をもてません。とにかく大前提としてネーデルラントの政治・軍事・外交の歴史は、本邦の読者層にはほとんど知られていないように思われます。

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