古いほう(田村隆一)の日本語訳は原作発表からあまり間をおかず出版されていて歴史的意義はあるかもしれませんが、ちょくちょく誤訳もあったりして読みにくいので、いまから読むなら新しく出版された田口訳がいいと思います。
前便で引用した部分の原文と田村訳:
‘Listen, Mr Bohlen. Who on earth is going to want custom-made stories when they can get the other kind at half the price? It stands to reason, doesn’t it?’
「ね、いいですか、ボーレンさん。半分の値段で、しかも毛色の変った作品が買えるってときに、なんの代りばえのしないマンネリズムのストーリイを欲しがるやつが、いったい、どこの世界にいるんです? それが、ものの道理というものじゃありませんか、え?」