今、母は100年以上経った旧い土蔵を解体しようとしている。
私と父は温存したかったのだが、聞き入れてはもらえない。
お金を母が握っているからだ。
母がいなくならないことには農業もをどうするかも土地をどうするかも何も考えることが出来ないだろう。
老朽化し維持できない汚らしい古いものは壊す、という考え方よりも、何とか直して維持していくという考え方の方が私にはしっくりくる。
思想が違う。
どんどん壊して更地にして、あとにはぺんぺん草も生えないようにするという考え方には、私は組しない。
感情論かもしれないが、合理主義のふりをした何かには抗いたい。
私が発病して実家に両親と一緒に住めなくなったことと、農業が出来なくなったことは、底で繋がっている。
家庭内で力を持つ人(母ですわね)が「農業なんてコスパが悪すぎてやるに値しない」って頑強に思っているのだから、そりゃ農家やろうとしても工夫も出来なくなる。