『ラストマイル』(2024)
監督/塚原あゆ子
脚本/野木亜希子
#映画 #感想
年に一度の「ブラックフライデー」前夜、東日本の物流を担う巨大物流センターから発送された商品が次々と爆発した。センター長・舟渡エレナと数少ない社員の一人・梨本孔は原因を突き止めるべく倉庫を奔走する。
最初から最後までず~~~っと面白く、しかも安心して観ていられる作品だった。だって監督・脚本・そして役者を『アンナチュラル』『MIU404』の布陣だもの。安心と信頼のエンタメ作品。ドラマ2作品分の登場人物がたくさん登場するため群像劇っぽい雰囲気もあり面白かった。みんなそこにいたんだね。ずっと生きていたんだね。ありがとう。また逢えたら嬉しい。
私達は皆、多かれ少なかれシステムの一部として生きて、システムが無ければ生きていけない存在であると同時に、システムを動かす存在でもある。私達が止まれば都市は止まる。都市が止まれば私達もただでは済まない。都市に張り巡らされた交通網をうごく小さな光の粒としての私達、血流の一滴である私達の話をずっとしていた。
……でも個人的な好みとしてはもっとポリティカルでもよかったな~!
『ラストマイル』感想つづき2(※ネタバレ有)
何度か「名前を間違える」「ちゃんと言えない」ってシークエンスが登場していたとおもう。『虎に翼』のヒャンちゃんしかり、正しい名前を呼ぶって、その人の存在をただしく認めることにもつながるとおもう。(そして物流にも『読みにくい名前の人たち』が大勢働いてらっしゃるんじゃないのかとおもう)
ちゃんと読んでもらえず、ちゃんと覚えてもらえない、何人かの登場人物が悲しかった。病院のシーン、点滴を指で隠すところ、ぐっときた。やさしいね。