公的な受託事業Aと自前の事業Bを運営している事業者があったとします。
で、例えば事業Aで、調査とかイベントとか特定の目的のためにボールペンを大量に買ったとします。
調査やイベントが終わってもまだ使えるボールペンは、通常、委託元(発注者)に返還したり捨てたりせずに、事業Aで引き続き使うでしょう。
でも、ボールペンを「事業A用」「事業B用」に分けて使うのは大変な手間なので、ボールペンは事業Bでも使われてしまう。それは厳密に言えば「流用」でしょうが、そんな細かいところまで管理して事務負担を増やしても誰一人得しないので、委託元も問題視しません。
助成事業や受託事業を含む複数の事業を運営する場合、こういうことが山のように出てきます。
しかも、小規模事業者の多くは人手や設備等様々な資源が不足しているので、事業の質を上げることと事務処理を厳密に行うことがしばしば対立します。無理して両立しようとすれば、長時間労働やストレス等で健康を害する人が出てしまいます。
私が昔の個人的な経験から感じたのは、小規模事業者が公共事業を受託するということは、「事業の質」と「事務処理の質」と「事業に関わる人の健康」のバランスをギリギリ保ちながら、綱渡りして進んでいく感覚だということです。
要は、不適切な会計処理は探せば絶対に出てくるので、公金支出の是非のレベルで問題にすべきは、不適切さの「程度」と「目的」なんですよね。
colaboの件、指摘されている「会計上の問題」は、私が把握できている範囲では、「ミス」とか「うまく調整がつかなかった」程度の話で、故意に重大な「不正」を働いているようには見えません。こんなことで委託受託双方の事務負担を増やしても、誰一人得しないレベルの話です。
議員まで乗っかって大騒ぎしているのは何故なのだろうと思います。
……と、新年から、この程度のこともtwitterには書けないチキンぶりを見せつけてしまいました。