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『ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』著 ミヒャエル・エンデ,ヴィーラント・フロイント 訳 木本栄 絵 junaida

面白い〜まだ途中だけどうるっときてしまった。

『ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』著 ミヒャエル・エンデ,ヴィーラント・フロイント 訳 木本栄 絵 junaida

読了。『はてしない物語』が読みたいな~と図書館の本棚を探したら貸し出し中だったようで(まさか置いてないということはあるまい……と信じているが……)、あら残念、と思っていたら見慣れないタイトルを見つけました。著者名がエンデ以外にもあるのどういうこっちゃろうと首を傾げながらも読み終わり、訳者あとがきでどういうことか知ります。エンデの未完の物語を「十歳のときに『はてしない物語』を夢中になって読んで以来、その読書体験が人生の指針となり、やがて自らも児童文学作家への道を進んだ」ヴィーラント・フロイントが完成させた物語なのだそう。エンデが全編書いた作品だと思って読んでましたが、それを知って振り返っても、エンデへの敬意と愛があふれる話運びであり、“物語” の力を強く信じているのだな、と思える作品でした。よかったです。

『ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』著 ミヒャエル・エンデ,ヴィーラント・フロイント 訳 木本栄 絵 junaida

基本は冒険譚ですが、“おそれ知らず” とは果たして “勇気” か、ということにしっかり向き合った作品です。主人公二人は少年と成人男性なのですが、それぞれ己のことを反省するきっかけがお互いを案じる心だというところに思わずうるっときてしまった。トキシック・マスキュリニティからやわらかく解き放たれている、弱さのある成人男性が描かれていると感じました。賢く勇敢で髪の毛の先までお姫様な、「女王さまが当たり前でない時代に」王位継承権を持つ「お姫様」も出てくるよ。王様が「メランコリー」と呼ばれる気鬱なんだけど、その症状を馬鹿にしないところもよかった。

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