『ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』著 ミヒャエル・エンデ,ヴィーラント・フロイント 訳 木本栄 絵 junaida
基本は冒険譚ですが、“おそれ知らず” とは果たして “勇気” か、ということにしっかり向き合った作品です。主人公二人は少年と成人男性なのですが、それぞれ己のことを反省するきっかけがお互いを案じる心だというところに思わずうるっときてしまった。トキシック・マスキュリニティからやわらかく解き放たれている、弱さのある成人男性が描かれていると感じました。賢く勇敢で髪の毛の先までお姫様な、「女王さまが当たり前でない時代に」王位継承権を持つ「お姫様」も出てくるよ。王様が「メランコリー」と呼ばれる気鬱なんだけど、その症状を馬鹿にしないところもよかった。