『NOW LOADING』観劇。とってもよかった。キャパ40弱の空間での贅沢なアーバン・ポップ・ミュージカル。至近距離で歌い上げられるポップミュージックの親密さと、それでも客席と劇空間とははっきりと隔てられているという遠さの共立。
演劇における近さと遠さの奇妙な同居を、動画配信者の非対面の交流というプロットと重ね合わせていく。俳優のお二人の体重移動がすごい。目の前でかなり大きなマイムもあるにも関わらず、まったく足音が聞こえない。この音のなさもまた近いのに遠い距離を表していた。
無謀な約束を果たすべく一人がゲーム空間を駆け出すシーンがあるのだけど、このシーンの静けさが見事で、思わず涙ぐんでしまった。あと素朴に歌が上手い。このサイズの小屋でこれだけの歌が聴けるというだけで嬉しくなる。
既存の大きな流通経路に乗りやすいように自らをわかりやすい規格にはめこむのでなく、小規模でも自前で制作と流通を準備して、自分がいいと信じるものを誠実に制作できる環境を自作していく態度は、なんであれ素晴らしいものだな、と思う。
たぶん来年以降、どんどん人気が出て小屋が大きくなっていく企画だと思うので、いまの小さな小屋での贅沢な芝居を観ておいたほうがいい。
東京の人、おすすめです。
開演20分前まで前売りチケットを販売してるみたい。
t.livepocket.jp/t/nowloading
公演サイトはこちら。
amoshogo.com/nowloading/
(なんだかかなりステマっぽいが、僕は関係者の誰とも知り合いでもないし、素朴な観客としていいものを観てふわふわしてます)