舞台上の演者の不調にハラハラしながらステージを見守る、という経験は四半世紀バンドのライヴに通っていたあいだにも何度かあったけど、観ている側も勝手にかなり疲れてしまうんですよね…
礼さんはそのあたりのことを痛いほどわかっていて、だからこそカーテンコールのあの挨拶だったのだろうと思う。ほんとうに真面目で責任感の強い人なのだなと感じた。
ただ、個人的には、とくに緞帳前でのコメントは聞いてもあまり安心はできなかった、というより逆にモヤモヤしてしまったな…
もちろん、事実無根のことを週刊誌に書きたてられれば腹に据えかねるし、ファンのためにも言わずにはいられなかったのだろうと想像するけれど、なんか…宙組のハラスメントが週刊誌で報道されたとき、書かれた当の本人がコンサートのMCで直接エモーショナルに「説明」してうやむやになったときのことを思い出してしまった。あのときと同じなんじゃないのか?
タカラジェンヌはいつだって潔白、悪いのはすべて歌劇団、と言うつもりもないけど…個人を矢面に立たせてごまかしているように見える。
所属している個人としての発信を制限している(ぜんぜん「自由」じゃないな?!)のなら、せめて組織は説明すべきことを責任をもってしっかり説明し、構成員を守ってほしいと切実に思う。
ごちゃごちゃ書いてしまったけど、礼さんの歌はほんとうに好きで、だからこそ切実に10年後20年後も元気に歌っていてほしいんだよな…。
でもこの願望は「どうか男役として燃え尽きてしまわないで」の裏返しなので、礼さん的にはこんなこと願われてもぜんぜん嬉しくないのかも知れない…うう…。
宝塚歌劇団がもっとフラットな広い世界で、男役として所属したままでいろいろな経験を積める環境ならもう何年でもいてくれと思うけど、現状私のような浅いファンからはぜんぜんそうは見えないんですよ…
あと「組織は説明すべきことは責任をもってしっかり説明しろ」と言ってるのは、ジェンヌさんの体調などの個人情報を詳らかにしろという意味ではないし、ジェンヌ個人は余計なことを言うなということでもないです。
週刊誌報道を否定したいなら、歌劇団の名前で正当な手続きをもって抗議しろ、中途半端に匂わせみたいなことをするな、まして当の本人にステージ上で喋らせてふわっと解決したことにするな、とにかく組織としてきちんと責任を持って盾となれ、ということです。